32話 ページ33
アミルさんもそれに頷く
「そう、だから俺たちみたいな一般レンジャーはただ死域を見つけ、位置を
記録してティナリさんのようなプロに任せるのが仕事だ。
何しろ、死域の内部に足を踏み入れ、死域を除去できるのはティナリさん
たちだけだからな」
空「俺たちも役に立てるかも」
『私も元素力を扱えます』
エルマ「………」
そう言うと、アミルさんは不思議そうな顔をした
「でも、神の目を持ってないみたいだが……」
パイモン「安心しろ、こいつらは確かに神の目を持ってないけど、元素力を
使うことに関してはベテランと言っても過言じゃないぜ」
ティナリ「へえ?どうやら君たちについての噂は本当らしいね。だったら……
いいだろう。一緒においで」
『本当ですか?』
ティナリ「ああ。いつもは旅の人がガンダルヴァ村を離れるとき、死域を見分ける
方法だけを教えるんだけど、今日は現地でできそうだ」
ティナリさんは笑顔で頷き、少し満足げだった
アミルさんたちから情報をもらい、死域の具体的な場所へ向かう
お姉ちゃんは元素力を扱うことができないため、アミルさんたちと一緒にガンダルヴァ村に戻ってもらうことにした
そして目的地へ進んでいると、ティナリさんが腕をパッと出して歩みを止めた
ティナリ「ストップ、もう進んじゃダメ。前を見て」
パイモン「前……あっ、あそこらへんが灰色で、植物も枯れてるみたいだ。
空気にも、灰のようなものが漂ってるし……」
確かに豊かな緑は、もう目の前には広がっていなかった
植物は枯れ、動物の影すら見えない
煙たい灰が飛び交い、空気は重く全身にのしかかるようで、重力が増しているのかと錯覚するほどだった
パイモンは身震いをする
パイモン「うう、鳥肌が立ったぞ」
ティナリ「それが「死域」さ。
空、ヒルマ、僕はこれから死域の内部に入る。中には死域の「病変」が
あって、それを破壊できれば、このエリアを救えるんだ」
空「俺たちも一緒だから」
『精一杯頑張ります』
ティナリ「ありがとう。でも、君たちはこれを処理したことがないし、無理だけは
しないで」
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作者名:ゆっきーぷ | 作成日時:2023年12月1日 18時