31話 ページ32
必死に大きく手を振るレンジャー二人組の方をティナリさんは不思議に首を傾げながらとりあえず向かうことにした
水を超えて遠くの小さな島にいる二人組の方へと行くと、二人は安心したようにホッと息をついた
「まさかここで会えるとは、ガンダルヴァ村に帰って、ティナリさんを探そうと
していたところだったんだ」
ティナリ「何かあったの?」
「ついさっき、「死域」を見つけたんです」
「死域」
その単語を聞くと、ティナリさんは強張った顔をした
ティナリ「「死域」?君たちのルートは一週間前に徹底して片付けたばかりなのに、
こんなに早く現れるなんて……具体的な場所は?」
「すぐ先にある谷の奥だ。今回出現した場所は、河谷の狭いエリアをほぼ
塞いでたから、すぐに戻ってティナリさんを探すことにした」
奥の霧が濃いエリアを指差してそう言った
ティナリ「半径は?」
「すまない、そこまではよく見えなかった」
「今日はチームに神の目を持ってる人がいなかったし、死域はまだ拡張
し続けてるみたいだったので、あまり近づかなかったんです」
ティナリ「うん、その判断は正しい。今すぐ片付けに行くから、君たちはこの
四人をガンダルヴァ村まで連れて戻ってあげて」
パイモン「待てよ、ティナリ。なんでいきなりオイラたちを帰らせるんだよ?」
三人の会話から今の状況が焦り、何か危険な状況なんだろうということがわかったけれど、それでも具体的なことを教えて欲しい
「ああ、スメールに来たばかりじゃ、この状況も分からないか」
アミルさんによれば、スメール雨林の一部エリアに特殊な異変が起きており、そのエリアを「死域」と呼んでいるらしい
「死域」は植物を枯らすだけではなく、動物や人の命まで奪う可能性があり、だから神の目がない者は近づいてはいけないということだった
ティナリ「そういうことなんだ。この前、雨林には危険なエリアが点在すると
言ったのも、君たちを脅かすためじゃない。
神の目をもつ者———つまり元素力を操れる者だけが、一定時間
死域の侵食に耐えられる」
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作者名:ゆっきーぷ | 作成日時:2023年12月1日 18時