弍拾捌話 ページ30
その変わった名字は何となく
聞いたことある気がする……
そんなことを考えていると
夜蛾……さんは尋ねてくる
夜蛾
「君は何しにここにきた?」
『え?』
夜蛾
「………」
『えーっと……』
何しに……って
連れてこられたって言えばいいの?
『えっと……五条さんと伏黒くんに連れられて……?』
夜蛾
「違う、そういう意味ではない。
確かに悟と伏黒が君を連れてきたのかもしれない。だが、なぜ君はついて来た?
君はなぜ、その力を人々のために使おうとする?」
『………』
夜蛾
「君の体質は特異だ。呪術界の中でもごく稀で、その力は君の身に余るだろう。
君は今”保護„の状態であり“生徒„ではない。そして私の前に現れたということは
高専へ入学の意志を表示することと同義だ。
改めて聞こう。何しにここに来た?」
……そういうことか
結構難しいこと聞いてくるな
この人……
なんで……か
『……私は呪術を使ってみんなを助けたい。使うための力があるなら、
それを使って精一杯頑張りたい』
夜蛾
「事件・事故・病気、君の知らない人間が日々死んでいくのは当たり前のことだ。
それが呪いの被害となると、看過できないというわけか?」
『………』
嫌なこと聞いてくるなあ……
でも、大事なことだよね
目的のない大きな力は
破滅を呼ぶだけだから
『自分を……信じたいから。自分にはできるって……自分を信じていたいから』
夜蛾
「………甘いな」
その瞬間夜蛾さんが持っていた
人形たちが物凄い速さで
こっちに突っ込んできた
反射神経で何とか避けることができたけれど
避けた先の壁が若干凹んでいた
人形……だよね?
力強すぎない……?
あれ、中身綿じゃなくて
鉄球か何かが入ってるでしょ
夜蛾
「”
私の呪いが籠っているがね」
呪力……っやつ?
意外と活用方法は
結構多様なんだな
夜蛾
「窮地にこそ人間の本音は出るものだ。
納得のいく答えが聞けるまで、攻撃は続くぞ」
『っ!』
最初は反射だったけれどだんだんとぬいぐるみ————のような呪骸の動きを
見極められるようになり、避けるのにも慣れてきた
それでも途中反応に遅れて
脇腹や腕がジンジンと鈍い痛みが走る

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noatin320(プロフ) - 家族光景?が魔法使いの嫁に似てるようですが、とても気に入りました。 (3月14日 11時) (レス) @page48 id: 0aff28f9bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆっきーぷ | 作成日時:2024年10月25日 21時