【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ44)

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及川バースデー 3 ページ44

「はい、俺の後に続けて復唱！及川の誕生日会のことは言わなーい」

「と、徹の誕生日会のことは言わない……」

「及川に聞かれたら無視する」

「徹に聞かれたら無視する……」

「最後に花巻さん大好きって言って」

「花巻さん大す……ってなんてこと言わせるんですか！」

3人で話した数分後、岩泉は一緒に帰る予定だったAに連絡を入れ、この空き教室まで来てもらうことにした。

3年棟には近づかないという約束を、以前岩泉とAはしていたが、今回は例外である。

何せ、事態は急を要するのだから。

今日は1週間で唯一、部活がオフの月曜日。

及川、岩泉と一緒に帰る予定だったAは、急な呼び出しに急いで3年棟へと向かった。

そして、着いてすぐ、冒頭に戻るのである。

突然、部活の先輩に復唱しろと言われ、言われるがままになっていたAだったが、最後の言葉はなんとか言い切る前に我に返ったようだ。

「急にどうしたんですか？何かありました？」

「何かあったのは、俺らじゃなくてお前な？」

「内緒って言葉の意味知ってるか？」

未だ首を傾げているAの前に、仁王立ちをする花巻と松川。

いつもは岩泉が青城のオカンだが、今日ばかりはこの2人がお母さんのようだった。

先輩からマネージャーへ、説教タイムである。

流石にAも察したようで、あたふたとし始めた。