勉強を教える 7 ページ38
「家帰ったら、携帯で調べてみろよ。夕方とか、結構中学生が集まってるぞ」
「そうなんだ……よく知ってるね」
金田一に言われたAは、家まで我慢できずに既に携帯で調べ始めていた。
歩きスマホは1度コケた経験があるため、ギュッと隣を歩く国見の制服の端を掴んでいる。
検索をかけてみると、確かに金田一の言う通り、図書館の上に休憩スペースがあるようだ。
Aはそれをスクショすると、RINEで影山とのトーク画面を開いて送る。
既読がつく前に、AはRINEを閉じてしまった。
「俺、一時期家で勉強するのダメでさ、クラスで結構勉強出来るやつに聞いたんだ。そしたら、ここでやってるって言っててさ」
そのまま携帯の電源を落としたAは、金田一の話に耳を傾けていた。
テスト勉強というと、いつも1番誰かに泣きつくのはAであるため、金田一が勉強で困っていることがあったなど、全然知らなかったのだ。
「へえ。私も今度その子に聞いてみようかな。金田一もその子に教わってるの?」
「いや、たまーに教えてもらうくらいだな」
特に仲良しなわけではなさそうだと、Aは心の中で思った。
そもそも、金田一に自分たち以外の友達がいるのかどうか、Aは知らない。
「男の子?」
「おう。蓮耶匁ってやつ」
「へえ……覚えとこ」
Aは、顔も知らない蓮耶匁という男子に感謝をしながら、そこで勉強することに決めた。
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sala-ri✰︎ - 面白かったです!!!!更新頑張ってください!!!楽しみにしてます(*^^*) (2022年6月20日 17時) (レス) @page3 id: 94069447b5 (このIDを非表示/違反報告)
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