岩泉バースデー 9 ページ30
結果、暗証番号は分かってしまったし、時間もないということで、徹の案を採用することになってしまったのである。
そして、びっくり箱の中に何を入れるかは、みんなでアイデアを出し合った。
……まあ、これも、徹の案が採用されたわけなんだけど。
徹がびっくり箱という名のロッカーに入れようとしたのは、そう、私である。
いろいろ疑問はあるものの、お金や時間をかけずにびっくり箱を再現するには、もうそれしかないということで、満場一致で決まった。
うん、本当にどうして?
そんなカクカクシカジカがあって、今私はハジメのロッカーにいるわけなのだが、これ、絶対後で怒られるよなあ……。
もう全部徹のせいにすれば、なんとかなるかなあ。
そう考えたところで、前にも聞いたパンという乾いた音が外から次々に聞こえてきた。
どうやら、ハジメと徹が到着したらしい。
おめでとうと祝う声も聞こえる。
私もここから出て言いたいんだけど、今はびっくり箱になり切っていなくちゃ。
「Aはいねえのか?」
不意に名前を呼ばれ、私の肩が跳ねる。
でも、流石に気づくよね……。
いないことに気づいてくれたのは、凄く嬉しいけど。
「あー、えっとね……今別の準備してて」
「準備?1人でか?」
徹の歯切れが急に悪くなる。
ちょっともう少し上手い言い訳を考えてくれないと、ハジメがロッカーを開けないまま部室から出ていっちゃう!
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sala-ri✰︎ - 面白かったです!!!!更新頑張ってください!!!楽しみにしてます(*^^*) (2022年6月20日 17時) (レス) @page3 id: 94069447b5 (このIDを非表示/違反報告)
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