【HQ】鈍感少女番外編3 (ページ28)

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岩泉バースデー 7 ページ28

確か、小学生か中学生の時だった気がする。

公園に呼び出されて何かと思えば、びっくり箱を渡されて思いっきりびっくりしちゃったやつ。

徹とハジメには笑われるし、めちゃくちゃ恥ずかしかった。

正直、その話は忘れて欲しいもん。

そう言おうとした時だった。

「……あ」

何か閃いたのか、徹が顔を上げた。

「岩ちゃんの誕生日、びっくり箱ならどう？」

その提案は、今までの中で1番まともだった。

でも、さっきびっくり箱で驚くのは私くらいとか言ってなかったっけ？

「それ、いいけどハジメは驚いてくれるかな？」

「そんな可愛いびっくり箱じゃなくて、もうちょっと手の込んだものにするとか……」

徹の提案はすごくいいけど、あまり大掛かりなことをしている時間はない。

おもちゃ屋さんで売っているような、可愛いびっくり箱じゃ、ハジメは驚くどころか怒りそう……。

しかも、徹が発案者と知れば尚更……。

せっかくの案を潰したくはないんだけど、これもまたボツになっちゃいそうだな。

「どこかで買えないなら、私たちで作るしかないけど、そんな時間あるかな？」

それに、徹はハジメといつも一緒にいるから、徹と2人きりで会うことなんてほとんどない。

RINEは使えるけど、それだけで進捗を確認するのはちょっと怖いな。

そう思っていると、じーっと徹が私の顔を眺めていた。

そして、私と目が合った途端、ニヤッと笑ったのだ。

「大丈夫、そこら辺は任せて」

正直、嫌な予感しかしないんだけど……。