【HQ】鈍感少女番外編2 (ページ32)

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若葉バースデー 3 ページ32

「1番いいのはさ、誕生日だからってことを言わないでAちゃんに楽しんでもらうことなんだけど、部活中に遊べないし、かといってオフの日にあっちこっち連れ回せないしなあ……」

及川が力の抜けた声でボヤく。

オフの日を使うのはいいかもしれないが、Aは身体の都合上、あまり遠出は出来ない。

大人数だと余計に気を遣うし、次の日体調崩して部活に出られないなんてことがあったら、後味が悪いだろう。

あいつ自身、バレーバカだし、人に迷惑をかけることを嫌がっているからな。

先月、渡の誕生日会をした時に、バレーを使ってゲームっぽいことをしたが、言い出しっぺはAだ。

その案を本人の誕生日に使うってのもな……。

そもそも、Aは見ているだけになっちまうわけだし。

「Aちゃんにバレーやらせてみる？」

「確かに、昔からやりたがってはいたけどな……」

及川の案も悪くない。

いや、むしろ良い方だと思う。

Aは、昔から足が早い。

喘息がなければ、絶対に運動部に入っていただろう。

だから昔は、俺たちがバレーの練習をしているのを、羨ましそうに眺めていた。

それを考えると、及川の案は良いと思うが、俺たちが手加減したところで、喘息が邪魔をしてくる。

それが1番難しいところだった。

喘息がなきゃ、どこか連れていくなり、バレーの練習一緒にするなり出来るんだけどな……。