【HQ】鈍感少女番外編2 (ページ20)

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文化祭 21 ページ20

「でも、金田一の言う通りなので大丈夫ですし、ちゃんと和解出来ましたから……」

そう言うと、金田一も国見も「え？」と言いたげな顔でこちらを見ていた。

そうだった、2人は知らないんだった。

あの時……嘉手裏さんが、退部した後に話しかけて警告してくれたこと。

まだ2人には言ってなかったから、もしかしたら退部と言われた時のことを言っているのだと勘違いされてそう。

まあ、その時は和解したとは言えなかったけどね。

あとでちゃんと説明しなきゃ。

「……そうか。ならいいけどな。何かあったら、俺がいつでも相談に乗るからな」

「ふふ、ありがとうございます」

ドンと胸を叩いた湯田さんは、とても頼もしい。

流石に受験で大変だろうから、あまり頼れないとは思うけど……。

でも、そう言ってくれるだけでもとても嬉しかった。

「じゃあ、俺は仕事に戻るから。あっ！お前ら、フランクフルト食っていけよ！」

最後に看板をヒラヒラさせて、湯田さんは人混みの中へと消えていった。

湯田さんのクラスは、フランクフルトの屋台をやっていたんだ。

話に夢中で、全然気づかなかった。

「どうする？行く？」

私は、金田一と国見を見上げた。

せっかく先輩が言ってくれたし、私ももうお腹すいたし……。

「俺、焼きそば食いたい」

スタスタと、国見は焼きそばの屋台の方へと歩いていった。

私と金田一が何を食べたいのかも聞かずに。

本当にマイペースというかなんというか……。

そこが国見の良さでもあるんだけどね。