1237. 機会がなかった ページ8
神「それは……」
神悠の瞳が初めて揺らいだ。
矢巾君は、及川君の考えを継いでいたんだ。
誰かを傷つけたことがある人でも、一度の失敗で追い出すわけじゃない。
嫉妬、羨望、あるいはSOSの形、全てを嫌がらせと一括りに出来ないほど、その理由は様々。
だから、やってしまったことを責めるのではなく、なぜやってしまったのかを尋ねる。
中には、マネージャーだけの問題ではなくなる場合もあるのだから。
神悠は、そういう人たちと触れ合う機会が今までなかった。
嫌がらせはバレなければそれまで、バレたら即退部が今までの流れだった。
もちろん、即退部させるのが悪いことなわけじゃない。
強豪校であればあるほど、そこに構っている時間はないだろうから。
むしろ、青城みたいな対応が異質なくらい。
それで、神悠は戸惑っているんだと思う。
自分の予想していた結末と全く違う。
本来なら、若葉ちゃんは戻ってこないし、戻ってきてもバレー部にはいられないはずだから。
でも、神悠がどうしてここにずっといようと思ったのかは、私にも分からない。
単純にこの部活が楽しかったからなのか、それとも……。
神「分からない……」
混乱しているであろう神悠の出した答えは、酷く弱々しい声をしていた。
神「なんで……おかしい、おかしいよ、こんなの。なんで私のことを責めないの?なんで若葉さんは戻ってきたの?こんな……私の望んでいた結果じゃない!」
吐き出された叫びは、とても物悲しく感情的なものだった。
61人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くれは*(プロフ) - おかか。ですかさん» コメントありがとうございます。占ツクから離れかけていたにも関わらず、更新を楽しみにしていただけて嬉しいです。番外編もぜひお楽しみください。 (2022年3月1日 19時) (レス) id: 156e3ec7ca (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか(プロフ) - 完結おめでとうございます!私は占ツクから離れつつあったのですが、この作品は読み続けたいと思い毎日更新を楽しみにしていました。最初から最後までめっちゃ面白かったです!!番外編も楽しみにしています! (2022年2月21日 16時) (レス) @page40 id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
くれは*(プロフ) - さーぴさん» コメントありがとうございます。感情移入していただけて嬉しいです。作品を見つけていただき、ありがとうございます。番外編もよろしくお願いします。 (2022年2月18日 19時) (レス) id: 156e3ec7ca (このIDを非表示/違反報告)
くれは*(プロフ) - ちょこぷりんさん» コメントありがとうございます。ここまで読んでいただいて嬉しいです。断トツに素敵と言っていただけてとても励みになります。番外編もぜひよろしくお願いします。 (2022年2月18日 19時) (レス) id: 156e3ec7ca (このIDを非表示/違反報告)
くれは*(プロフ) - RIOさん» コメントありがとうございます。気づいたら3年半も経っていました笑 考えながら読むとまた違った見え方が出来ると思うので、その読み方をしていただけて嬉しいです。 (2022年2月18日 19時) (レス) id: 156e3ec7ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ