【HQ】鈍感少女 Answer 4

1233. 嫌がらせに懸けるもの ページ4

桃「私はあなたを置いて逃げた。本当は、私が若葉ちゃんと戦わなくちゃいけないのに、神悠を利用して自分は逃げた。だから、神悠の怒る相手は私なのよ」

神「怒らないよ。おねえちゃんが私を頼ってくれた。自分のするべきことを、私に任せてくれた。だから、私はそれを精一杯やろうとしただけ」


2人の意見は、ずっと平行線だった。

優木さんは、自分が逃げたせいだって言ってるけど、御央花さんはそれは自分を頼ってくれたと思っている。

今、御央花さんが1番怒っていることは、優木さんが逃げたことじゃなくて、私への嫌がらせの邪魔をしたことなんだ。

嫌がらせを始めたら徹底的にやる御央花さん。

それを止めるには、私じゃ何も出来ないのかな？


桃「……それが間違いだったってことよ、神悠。そうやって、信頼する人たちをどんどん失っていくつもり？」

神「信頼って、何が？私、人間嫌いだし、信頼している人なんておねえちゃん以外にいないよ」


淡々と吐き出されたその言葉に、矢巾さんが顔を歪めた。

御央花さんは、矢巾さんの紹介で入部したんだよね。

矢巾さんと仲良さそうだったのに、それも表向きだけだったってことなの？

私に嫌がらせをするためだけに、矢巾さんも傷つけたの？

そんなことまでして……どうして……？

理解が追いつかない。何も言えない。

そこまでしても、何も得られるわけじゃないのに。

どうして御央花さんは、全てを嫌がらせに懸けるんだろう？

1234. 誰も信じられない→←1232. 逃げたっていい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す