【HQ】鈍感少女 Answer 2

1169. 気になる表情 ページ36

及「……は？」


徹が間抜けな声を上げる。

夏休み前までって、嫌がらせのことだよね？

てことは、優木さんは今は関わっていないってこと？


天「やっぱり、御央花神悠が……」

桃「へえ、そこまで分かってるのね」


御央花さんの名前を出した途端、今度は優木さんが驚いていた。

否定しないってことは、瑜伽さんと立てた予測は当たっていたってことなのかな？

夏休みからの嫌がらせは、全部御央花さんが……。


及「受験生だから、御央花ちゃんに任せたってわけ？そこまでしてAちゃんを退部させたかったの？」


確かに、それが本当ならすごい執念だと思う。

でも、優木さんの日常を変えてしまったのだからと今なら割り切ってしまう。

優木さんは優木さんで、そうすることで心を保っていたんだ。

でも、優木さんは眉間に皺を寄せ、呆れたように徹を見ていた。

正解……ってわけでもなさそうだけど……。


桃「はあ……。ほんと、及川君にはガッカリ。ヒントをあげた私が馬鹿だった」

及「は？それ、どういう……」


引き留めようと伸ばした徹の手を振り払い、優木さんは公園の出口へと向かう。

今度こそ、もう何も話すつもりはないらしい。

どうしよう……このまま終わりにするわけにはいかないのに。

私たちに背中を向けた優木さんの肩は落ちていて、やっぱりどこか気になった。

さっきの歪んだ表情もそうだったけど、どうしてそんなに苦しそうな顔をするんだろう？

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