1164. 1番知っている ページ31
桃「離してよ、及川君」
及「やだね」
徹は優木さんの腕を掴んだまま、睨んでいる。
いや、睨んでいるのかな、あれは……?
悔しそうにも見えるし、悲しそうにも見える。
桃「何、今度は及川君が、私にお説教するの?」
優木さんは鼻で笑った。
それを見て、私は分かってしまった。
もう、優木さんには何も響かない。
そういうところまで来てしまったことが。
私が謝っても、罪を認めても、優木さんはそれを望んでいない。
優木さんが望んでいるのは、今の生活から離れること。
そして、私がその分、地に落ちること。
及「俺は説教はしないよ。でも、優木ちゃんは1つ、大事なことを見落としている」
笑われた徹はというと、怒ることもなく静かに優木さんを見ていた。
及「優木ちゃん、君は自分がしたことを何も分かっていない。若葉ちゃんが何不自由なく暮らしてるって?あれだけ嫌がらせを考えていた君から、そんな言葉が出るとは思わなかったよ」
どこか挑発するような言い方をする徹に、優木さんは「はあ?」と言いたげな呆れた顔をしていた。
でも、確かにこれは私も分からないかも……。
及「若葉ちゃんが不自由なく暮らしていないことは、ここの誰よりも1番君が知っているはずだよ。そうじゃなかったら、君はそんなに傷ついていないし、こんなことにもならなかった」
徹は、何を言っているんだろう?
私が不自由なく暮らしていないって?
そんなことないよ。
だって、あんなに"幸せ"だったのに。
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RIO - 一昨年から読ませてもらってるんですけど、コメントするのが今になってしまいました…(多分)。というか、今までの話もそうなんですけどホンマに毎回ハラハラしながら読ませてもらってます!更新頑張ってください! (2021年11月4日 1時) (レス) id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
ありりん(プロフ) - 鈍感少女シリーズ大好きです😊💕完結までどうなるのかドキドキで楽しみにしています😆✨これからも頑張ってください! (2021年9月27日 19時) (レス) @page13 id: 3650cccc93 (このIDを非表示/違反報告)
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