【HQ】鈍感少女 vs 初心男子？ 2 (ページ21)

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826. 手に汗握る試合ページ21

バン！という鋭い音がして、徹の強烈なジャンプサーブが、伊達工側のコートに入った。

それを伊達工の主将さんが、何とかレシーブで上げる。

それでも威力は抑えきれず、ボールは高く上がって青城側のコートへと返っていく。

前衛にいた金田一がダイレクトで叩くも、同じく前衛にいた伊達工の1番の人に止められる。

結果、今のは伊達工のポイントになった。

2年生が主体の伊達工は、まだ不安定さが残るのかと思っていたけど、全然そんなことは無かった。

IH予選と比べても、ブロックを担っていたのは主に2年生の1番と主将さんだから、ブロックの強さはまったく衰えていない。

むしろ、1年生に大きな人が増えて、余計にブロックが強くなったような気さえする。

3年生がいなくなったにも関わらず、その強さは強豪校にふさわしいものだった。

現に、得点差はほとんど開いていない。

本当にどちらが勝ってもおかしくないくらいの僅差だった。

私からしたら、いつ負けるか分からない、3年生にとって最後の試合になるか分からない恐怖がずっと頭にこびりついていて、崖の上を綱渡りしている気分だった。

ピーっと笛が鳴り、青城側が第1セットを取ったことを知らせる。

その笛の音でようやく肩から僅かに力が抜けたけど、まだ安心できない。

この後2セット取られてしまえば、3年生最後の試合になってしまう。

その考えに至ると、どうしても怖くなってしまって1点1点のポイントにハラハラしていた。