【HQ】鈍感少女 vs ヤンデレ少女 2 (ページ15)

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710. 第三者の影ページ15

あのあと、やっとまっつんと溝口君が来た。

岩ちゃんとAちゃんは保健室に連れていかれ、溝口君は女子生徒やマッキー、俺からも何があったのか尋ねた。

幸い、岩ちゃんとAちゃんの怪我も軽く、救急車が出るほどの騒ぎではなかった。

しかし、一応警察はやってきた。

女子生徒は、逮捕はされなかったものの、精神的なものが原因であるとされて病院へ搬送されることになった。

女子生徒が大人しく座らされていて、パトカーに乗るまでの待ち時間、俺は彼女にとある質問をした。

及「君をこんなふうにさせたのは、いったい誰？」

すると、女子生徒は少しだけ反応した。

俺は知ってる。

前に盗撮していたときは、こんなふうに自分や他の人を直接傷つけるような子ではなかった。

溝口君に注意された時の表情は、恋する乙女そのもので、いつかその恋が実るときが来るといいねと思うくらい幸せそうだった。

それなのに、こんなに変わってしまったのには、何か理由があるに違いない。

しかも、ここまで歪んでしまったとなれば、直接人が関わっているような気がした。

女子生徒は、俺の方をちらりと見てから小さな声でこう言った。

「名前は知らない。でも、私にどうやったら恋が実るかいろいろ教えてくれたの」

つまり、この女子生徒は誰かに吹き込まれたということだ。

いったい誰が……？

そう思っていると、女子生徒は穏やかな笑みを見せた。

それは1年前、俺が盗撮を注意した時に見せた、恋焦がれる幸せそうな笑顔とまったく一緒だった。