709. あの日の夜に ページ14
「本当のことを言うとですね……ふふふ」
突然、女子生徒が含み笑いを始めた。
サイコパス認定された彼女の笑みに、その場にいた全員の表情が凍りつく。
今度は何をしようとしてるんだ、この女子は?
「私、もともと人に惚れやすいんです。良いところを聞かされるとすぐに好きになってしまうんです。それに独占欲が強いので、私が好きになった男に他の女が付きまとってると、その女を殺したくてたまらなくなるんですよね」
ゾッとする言葉を、楽しそうに言う女子生徒。
名前も学年もクラスも、顔すら今日まで知らなかったこともあってか、不気味な雰囲気がその子の周りを漂っている。
国「だから、若葉を殺そうとしたんですか?」
少し声が震えてる国見ちゃん。
皆、殺人犯を目の前にしたような感じになっている。
実際、2人も切られているから怖いことに変わりはないんだけど。
「まあ、そうね。彼女を追いかけたのは、夜道を襲えばバレないと思ったからかしら」
やっぱり、Aちゃんが追いかけられたあの日、この女子生徒はAちゃんを刺すつもりでいた。
金田一と国見ちゃんがいて本当に良かった。
あの2人がいなかったらと思うとゾッとする。
金「そんなことをしてバレたら退学になるのに!」
「別になっても構わないわ。それで少しでもライバルが減るなら。私のものになるのならどんな手段も厭わない」
そこまで執着心が強いと、逆に怖いしもったいないと思う。
それを違う箇所で活かせば、絶対こんなことにならないはずなのに。
誰がこの子をこんなふうにしてしまったんだろうか?
135人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ