【HQ】鈍感少女 vs 仮病少女

408. 流石にまずい ページ8

松川side


帰りの道を進んでいるわけだが、やっぱりEチームの紙が気になって早足で行けねえ。


松「国見、やっぱり紙戻してこい。流石にまずいぞ」


途端、国見の顔に「めんどくさい」の文字が浮かび上がる。

言いたいことは分かるけどな、嫌がらせにも程があるぞ、国見。


松「俺らここで待ってるから、机まで行ってきなよ」

国「……携帯返してくれるならいいですよ」


紙を持ってない方の手をこちらに差し出す国見。

こういう無駄のない取り引き、ほんと上手いよな。


松「分かった。ほら」


俺は仕方なく、携帯を国見に返した。


国「俺の事、待ってなくていいですよ。そこのえっと……芝山、だっけ？顔青くなってるんで、先行ってください」


国見の指さした方向にいる芝山は、確かに恐怖で震えている。

ここに留まらせておくのは酷か……。

それにしても、国見が人のことを考えるなんて、珍しいこともあるもんだ。

まあ、コイツのことだから効率的なことを優先させたのかもしんねえけど。


松「分かった。じゃあ、俺らは先行くぞ」

芝「な、なんかすみません、僕のせいで……」

松「お前のせいじゃないって。元々あいつが悪いんだから」


自分のせいだと捉えちまった芝山を、俺は宥めた。


松「国見、なんならそのまま及川たちと戻ってこい」

国「絶対嫌です」


心底嫌そうな顔して即答する国見。

ホントにお前、及川に何されたんだ？

いろいろと心配や疑問が残るも、俺は国見以外の皆を連れて進むことにした。

頼むから、もうこれ以上変なこと起きないでくれ。

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