407. 挟み撃ち!? ページ7
渡side
木兎さんと山本君が逃げていってから、金田一と2人で夜道を歩く。
なんとか折り返し地点の机まで辿り着き、紙を手に取って先に進む。
この道、U字型になってるから、帰ると言っても行きとは別の道を行く。
きっとこっちの道も、演劇部が待ち構えているんだろうな、と思いながら懐中電灯を片手に進んでいると、金田一が声をかけてきた。
渡「どうした?」
金「なんか、聞こえません?」
立ち止まって2人で耳を澄ますと、その音は後ろから聞こえてきた。
小気味よく一定に聞こえるその音は、誰かが走る足音のように聞こえた。
もしかして、もうBチームが来たのか?
それとも、木兎さんたちが戻ってきたのかな?
何はともあれ、2人で心細いところに人が来てくれるのは助かる。
僕は安心しきってクルッと後ろを振り返った。
すると、こちらに確かにかけてきてはいた……が、それはめちゃくちゃ怖いお面を被った演劇部だった。
前から来ると思ったのに、後ろからかよ。
僕と金田一は、何も考えずとにかくダッシュで走る。
すると、前方からも怖いお面を被った人が走ってくるのが見えた。
まさかの挟み撃ち!?怖すぎるんだけど!
金「渡さん、こっち行きましょう!」
金田一が指さしたのは、茂みの奥。
確かに、この木々の数なら紛れ込めば見つかりにくい。
僕は金田一に頷くと、迷わず茂みに足を踏み入れた。
演劇部員が茂みに入ってきても見つからないように、取り敢えず走る。
息が切れるまで走って、後ろを振り返ると、演劇部員たちは追ってきていなかった。
金「無事切り抜けられましたね」
渡「そうだね」
レクの一貫のはずの肝試しでこんなに体力使うハメになるとは……。
明日の練習のことを心配していた時だった。
金「渡さん……ゴールって、どっちっスかね?」
震える金田一の声にハッとして辺りを見回す。
周りは木が生い茂ってるだけで、道らしい道がない。
しかも、自分たちがどっちから来たのかもよく分かってない。
まさか……僕たち、迷った!?
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すいま - さすが。おつよい。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: cbeac085fa (このIDを非表示/違反報告)
なな - 私くれはさんの小説大好きだよ!!!だからこれからも頑張って!! (2020年10月18日 21時) (レス) id: 260f58deaf (このIDを非表示/違反報告)
游 - 最近忙しくて、コメントできてなくてすみません…。もう1年たったんですね!!早かった…。今も昔も、変わらず大好きです。応援してます! (2019年7月31日 20時) (レス) id: be253de246 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーや(プロフ) - 1年おめでとうございます!!これから鈍感少女シリーズ楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 20時) (レス) id: 2f26a9a0e1 (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 面白すぎて一気読みしました!荒らしにめげないその精神がすごいと思います!これからも頑張ってください! (2019年6月30日 15時) (レス) id: d635d54193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれは* | 作成日時:2019年6月14日 19時