【HQ】鈍感少女 vs 仮病少女

446. 似たような意見 ページ46

袖を掴んで、クロを引き止めた。

片付けもいいんだけど、それと同じくらい大事なことがある。


貴「スポドリの粉、買いに行きたいんだけど、ここの近くにそういうお店ある？」

黒「買いに行くってまさか……手持ちの粉末全部捨てられたのか!?」


流石に全部だと思わなかったみたい。

クロの顔が驚きに変わり、声も自然と大きくなる。

「まいったな……」とクロは首裏をかいた。

そして、少し考え込んだあと、口を開いた。


黒「この近くにそういう店はあることにはある。梟谷御用達しのお店がな。でも、10分くらい歩くから、Aには任せられねえな。俺が行ってくるから、お前らは2人で片付けしててくれ」


やっぱり、そういう考えになるよね……。

さっきの金田一と、似たような意見。

だけど、マネージャーの仕事は人に任せられない。

他校の生徒なら、尚更だ。

私は、クロに首を振った。


貴「それは出来ないよ、クロ。お金が関わってくることは、基本的に人に任せられないんだ。私が行ってくる」

黒「行ってくるってお前、暑い中行って帰って来られんのか？顔色悪いし、やめた方がいいぞ」


心配そうに眉を寄せるクロ。

やっぱり、顔色悪く見えるんだ。

寝不足のせいだ……それに昨日からあまり食べてないし。

皆が心配するのも、無理ないのかな？

でも、これは誰かに頼めない。

どうしても、私が行かなくちゃいけないんだ。


貴「お願い、クロ。私に行かせて！」


袖をグイグイ引っ張って言うと、クロは考え込むのをやめてコチラを見た。


黒「わーったよ。ただし、1人はダメだ。俺が一緒についてく。どのみち、そうじゃなきゃ道分かんねえだろ？」


クロの提案に、私の顔は絶対分かりやすいほどに明るくなっていたと思う。


貴「ありがとう！」

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