433. 今できる最善のこと ページ33
赤葦side
ようやく午後練が終わった。
今日で合宿も4日目。
去年もキツかったけど、今年は更にキツい気がする。
でも、もう折り返し地点を過ぎたと思うと、残りの3日間も頑張ろうと思えた。
木兎さんを他の3年生に任せ、1人食堂に向かっていると、マネージャーがよく使う水道の脇で俺は止まった。
そこには、せっせと皆のボトルを洗う若葉さんの姿があった。
他のマネージャーはとっくに仕事を終わらせて、今頃食堂にいるはず。
それなのに、なぜこの時間にボトルを洗ってるんだろう？
若葉さんは、マネージャーの仕事も真面目にこなしてるし、経験も長いと聞いた。
どこかで油を売っていて遅くなることはなさそうだけどな。
取り敢えず、声かけるか。
赤「お疲れ様、若葉さん」
貴「っあ……赤葦さん」
まさかこのタイミングで声をかけられるとは思わなかったのか、若葉さんは分かりやすく体をビクつかせた。
貴「練習お疲れ様です！早く行かないと赤葦さんのご飯、なくなっちゃいますよ」
ニッコリ笑顔で言われ、真っ先に思い浮かんだのは俺の分まで飯を食べそうな木兎さんの姿だった。
それを振り払って、俺は今の会話に戻る。
お疲れなのは若葉さんだって同じなはずなのに、疲れを見せない笑顔。
その裏には、いろいろ隠しているんだろうけど。
何はともあれ、無理はして欲しくない。
それは、彼女が喘息持ちだと知ってから余計に思ってることだ。
慣れない環境ってだけでもキツいはずなのに、毎日がハードだ。
昨日の肝試しで俺が走らせなくても、この先無理がたたって倒れそうだ。
……まあ、その要因は大抵ウチにあるんだろうけど。
前からなんとなく気づいてはいた。
でも、確かな証拠もないし、何より練習に私情を持ち込むのは良くないから黙っていた。
ごめん、若葉さん。
こんな時でも練習を第1に考えてしまう俺は、悪いやつかもしれない。
ただ、何かあった時は絶対力になる。
それが今、俺に出来る最善のことだと思うから。
赤「ありがとう。若葉さんも、あまり無理しないでね」
若葉さんは少し驚いたように目を見開いたが、すぐに「はい」と返事をした。
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すいま - さすが。おつよい。 (2020年11月26日 3時) (
レス) id: cbeac085fa (このIDを非表示/違反報告)
なな - 私くれはさんの小説大好きだよ！！！だからこれからも頑張って！！ (2020年10月18日 21時) (レス) id: 260f58deaf (このIDを非表示/違反報告)
游 - 最近忙しくて、コメントできてなくてすみません…。もう１年たったんですね！！早かった…。今も昔も、変わらず大好きです。応援してます！ (2019年7月31日 20時) (レス) id: be253de246 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーや(プロフ) - 1年おめでとうございます!!これから鈍感少女シリーズ楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 20時) (レス) id: 2f26a9a0e1 (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 面白すぎて一気読みしました！荒らしにめげないその精神がすごいと思います！これからも頑張ってください！ (2019年6月30日 15時) (レス) id: d635d54193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれは*
| 作成日時：2019年6月14日 19時
