426. 握りつぶせる ページ26
來埜崎は少し目を泳がせた後、観念したように小さく息を吐いた。
來「……そうですよ。仮病ですよ」
意外とあっさりと認めた。
この様子だと、ただサボりたかっただけか？
岩「認めたってことは、それなりの覚悟の上か？ダメだって自覚はあんだろ？なら、早く体育館戻って正直に皆に話せ。それとも、俺が言ってやろうか？」
認めたなら、そこまで咎める理由もない。
反省してるなら、皆に本当のことを話せば、後のことは梟谷が何とかするだろう。
合宿来てまで、マネージャーのことで大事になるのはゴメンだ。
すると突然、來埜崎がクスッと笑った。
……は？今なんで笑って……？
來「覚悟ってなんですか？先輩方に怒られる覚悟ですか？それとも、部活を退部させられる覚悟ですか？」
何当然のことをわざわざ聞いてんだ？
しかも、焦るどころか飄々としてやがる。
まさかバレることも想定済みでやってたのか？
來「生憎、そんな覚悟はありませんよ。私がここで仮病だと認めたのは、仮病がバレたことを握りつぶせるからです」
握りつぶせる……？
つまり、証拠隠滅？俺を黙らせる気か？
生憎俺は、及川みたいな頭脳派じゃねえ。
心理戦でも挑まれりゃ負けるのは目に見えている。
……まずいな。
來「だいいち、証拠もないのにどう説明するんですか？何の証拠もなく言えば、梟谷と青葉城西が対立するのは目に見えています。1日目の時のように……」
話し方にイライラしてくる。
1日目のあれは、明らかにてめえのせいだろーが。
なんだ、コイツ？妨害目的で入部してんのか？
來「あの時みたいなことが起これば、交流を目的とした合宿が破綻しますよ。それどころか、逆に岩泉さんが疑われ兼ねない。まあ、私には関係ないことなんで、どちらでもいいんですけどね」
まるで他人事のような言い方。
言葉で俺を言いくるめようとしている。
しかも、最悪なことに言ってることはド正論。
反論のしようがない。
どうすればいいんだ……？
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すいま - さすが。おつよい。 (2020年11月26日 3時) (
レス) id: cbeac085fa (このIDを非表示/違反報告)
なな - 私くれはさんの小説大好きだよ！！！だからこれからも頑張って！！ (2020年10月18日 21時) (レス) id: 260f58deaf (このIDを非表示/違反報告)
游 - 最近忙しくて、コメントできてなくてすみません…。もう１年たったんですね！！早かった…。今も昔も、変わらず大好きです。応援してます！ (2019年7月31日 20時) (レス) id: be253de246 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーや(プロフ) - 1年おめでとうございます!!これから鈍感少女シリーズ楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 20時) (レス) id: 2f26a9a0e1 (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 面白すぎて一気読みしました！荒らしにめげないその精神がすごいと思います！これからも頑張ってください！ (2019年6月30日 15時) (レス) id: d635d54193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれは*
| 作成日時：2019年6月14日 19時
