425. 保健室の入り方 ページ25
マネージャーは今仕事の時間のはず。
現に、同じ音駒のマネージャーに割り当てられた烏野の1年マネージャーは、せっせと働いていた。
もしかしてコイツ、仮病か?
あんなに顔色が良いのに、ベッドで寝ている理由が分からねえ。
保健室の扉を開けようとしたが、思いっきり開ければ、向こうも気づいて寝たフリをするのがオチだ。
そうとなれば、ゆっくりドアを開ければ……。
幸い、小さな物音くらいなら、相手は電話に夢中で気づかねえ。
練習中に何やってんだよ、俺……。
自分で自分にツッコミを入れながら、俺は保健室に入ると、ソロリソロリと奥のベッドに近づいた。
それと同時に、來埜崎の電話の内容が徐々にハッキリ耳に入ってくる。
來「うん……まあね、ここまで来ると凄いって思っちゃうわ。だって、誰も仮病だって気づかないんだもの。いくらでも休めちゃうし」
笑いを含むその声は、だんだん俺を不快にさせた。
何、仮病で休んでんだよ?
他の奴らは暑い中、一生懸命マネージャーの仕事やってんだぞ?
なんでマネージャーになったんだよ、コイツ?
時折聞こえてくる笑い声が、俺には嘲笑っているように聞こえた。
ベッドに辿り着き、怒りに任せてカーテンを開けた。
携帯で通話をしたままの來埜崎の顔から笑みが消え、焦りの色が見えてくる。
來「ごめん、切る」
それだけ言って、來埜崎は通話を切った。
岩「何やってんだよ、お前?こんなところで」
來「いやその……ちょっと具合悪くて……」
岩「お前は具合悪いと、あんな声上げて笑うのかよ?」
來埜崎の誤魔化しを打ち消していく。
散々休んどいた挙句、トンズラされてたまるかってんだ。
それに、コイツには合宿初日にAに濡れ衣を着せたこともある。
またAを傷つけるやつか?それとも……。
俺は目に力を入れ、來埜崎から顔を動かさなかった。
岩「答えろよ……」
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すいま - さすが。おつよい。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: cbeac085fa (このIDを非表示/違反報告)
なな - 私くれはさんの小説大好きだよ!!!だからこれからも頑張って!! (2020年10月18日 21時) (レス) id: 260f58deaf (このIDを非表示/違反報告)
游 - 最近忙しくて、コメントできてなくてすみません…。もう1年たったんですね!!早かった…。今も昔も、変わらず大好きです。応援してます! (2019年7月31日 20時) (レス) id: be253de246 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーや(プロフ) - 1年おめでとうございます!!これから鈍感少女シリーズ楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2019年7月20日 20時) (レス) id: 2f26a9a0e1 (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 面白すぎて一気読みしました!荒らしにめげないその精神がすごいと思います!これからも頑張ってください! (2019年6月30日 15時) (レス) id: d635d54193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれは* | 作成日時:2019年6月14日 19時