「愛」ってなんですか!?【轟焦凍】 (ページ25)

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119. 事情説明の時間ページ25

貴「わ、私、轟君とはまだお付き合いは……」

まだってなんだよ……と相澤は思ったが、それで少しは轟の姉を落ち着かせることが出来たようだ。

貴「実は、学校に行く途中個性事故に遭ってしまって、轟君が小さくなってしまったんです」

「え……じゃあ、その子が焦凍？」

貴「はい……」

落ち着いたせいか、声のトーンが低くなっていく轟の姉に、Aは縮こまりそうになった。

もう小さくなってから5日も経っているというのに、まだ轟は戻れていないのだから。

それだけ授業が遅れてしまうというのもまた、下手したら轟の姉を怒らせてしまうかもしれない。

「そっか……元に戻る方法はまだ分からないんですよね？」

相「いえ、分かっていることには分かっているのですが、うちには該当者がいないらしく、ここに連れてきたんです」

貴「轟君が愛している人が、轟君にキスをすれば元に戻るんです。でも、轟君の愛してる人っていうのが分からなくて……」

「そっか、家族愛ってことね……」

すると、轟の姉は困ったようにクスッと笑った。

「ここで立ち話でもあれでしょうし、良かったら中に入ってください」

相「いえ、私は……」

「いえいえ、入ってください。あ、もちろん貴方もね」

Aは轟の姉に腕を引っ張られ、半強制的に中へ入る形になってしまった。

相澤は、入らないの一点張りなため轟の姉も諦め、Aだけが中で話すことになった。

帰る時に連絡しろとだけ言い残し、相澤は一旦学校へ戻っていった。

「それじゃあ、行きましょうか」

大きな日本家屋は、Aが住んでいた家の2倍はある敷地にあった。

轟の靴を脱がせ、Aはスリッパに履き替える。

貴「お、おじゃまします……」

小さい声でそう言うと、Aはおそるおそる轟の姉についていった。