「愛」ってなんですか!?【轟焦凍】 (ページ14)

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108. 制限された遊びページ14

貴「まあ、そんな感じだから、私も遊びはあまり詳しくないんだ。1人でいることが多かったからさ」

緑「そう……だよね。大勢で遊んだこととかないんだもんね？」

まだどこか気を遣うように言う緑谷に、Aは優しく頷いた。

貴「でも、個性で遊ぶのはよくやってたよ。公園の水道とかプールとかで、水を操ってものの形を作ってた。小さい子が好きそうなものだと、車とかお人形さんとかかな？」

うーん、と考え込んでから、Aはハッとした後、申し訳なさそうに縮こまった。

貴「ダメだ、ここに水ないや。他の遊びにしないと……」

残念そうに言うAに、緑谷は、「ここ僕の部屋」とツッコミそうになった。

水で遊んだら最後、部屋が水浸しになるのは目に見えている。

ホッとした緑谷は、逃げるように話題を変えた。

緑「でも、轟君すごく楽しそうだよ。幼少期からオールマイトが好きだったみたいだけど、あの時はオールマイトグッズは買えなかったみたいだし」

その言葉で、Aは轟の父親がエンデヴァーだったことを思い出した。

エンデヴァーは上昇志向でプライドが高く、オールマイトを相手にする時はどこか不機嫌そうだ。

万年No.2だったエンデヴァーなら、オールマイトのことをよく思わないことも考えられる。

それなら、オールマイトを超えさせるために育てていた轟に、オールマイトを見させないようにしてたことも考えがつく。

それは、オールマイトが平和の象徴であり、子どもに大人気なヒーローだからということもあるからだろう。

親の身勝手な理由で、いろいろなものを制限されて育ってきた轟。

そのことに改めて気づいたAは、轟を気の毒に思った。

貴「じゃあさ……」

Aは轟を抱きあげると、緑谷のベッドに下ろした。

布団カバーもオールマイトという時点で流石オタクというべきだが、轟はひたすら感激しているようだ。

それを見てAは、うんと1人で確信したように頷いた。

貴「ヒーローごっこってどう？」