「愛」ってなんですか!?【轟焦凍】 (ページ11)

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105. 体育祭の思い出ページ11

緑「それで、どうして僕……？」

相澤との話が終わった後、何して遊ぶのかに困ったAは、ひとまずオールマイトグッズを持ってる緑谷の部屋にお邪魔していた。

轟から直接オールマイトが好きだと聞いたわけではないが、ヒーローを目指しているなら、オールマイトが好きなのではないかと予想したのだ。

案の定、轟は目を輝かせて、オールマイトグッズを眺めている。

貴「ごめん、私も轟君も、子どもが何して遊ぶのか分からなくて……」

苦笑しながらAが言うと、緑谷は何かを思い出したようにハッとした。

そして、少し悲しそうに轟を見る。

貴「緑谷君も轟君の過去、知ってた……？」

緑「うん。体育祭の時に、話してくれたっていうか、なんというか、その……知ったっていうか……」

貴「そうなんだ」

Aは一瞬驚いたが、体育祭の時、2人が張り合っていたことを思い出して納得した。

貴「そういえば、体育祭凄かったよね。オールマイトとエンデヴァーの子ども対決みたいな！」

オールマイトと聞いて、緑谷の肩が跳ね上がった。

子どもではないにしろ、オールマイトから力を授かったことに変わりはなく、子ども対決もあながち間違いとも言い切れないのだ。

緑「そ、そういえば……水無月さんは子どもの頃、何して遊んでたの？」

今度は、Aの肩が跳ね上がる番だった。

個性婚のことはまだしも、自分が今までどういう生活をしてきたのかを人に話す勇気はまだ出ない。

轟は、お互い個性婚で生まれ、轟から過去を話してくれたこともあって話すことが出来たが、緑谷とは正直凄い仲良しというわけでもなく、どちらかと言うとクラスメイトの1人という感じだ。

そんな緑谷の部屋を訪ねるだけでも勇気があったというのに、更に過去の話まで出来るわけがない。

それに、それを話して何になるというのだろうか？

寮生活になった今、家族との関わりは極端に減り、ひとまず落ち着いてはいるのだ。

そして何より、周りの人たちに自分が失敗作であることを言いたくなかったのである。