【HQ】鈍感少女番外編7 (ページ15)

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後輩ちゃん 21 ページ15

紫那幸さんの言葉に首を傾げたのは、私だけではなかったらしい。

みんな揃って、何も言えずに紫那幸さんの次の言葉を待っていた。

「そんなの、若葉先輩の方が良いってみんな言いますわ！私に勝ち目はないじゃありませんか！」

「分かってんじゃん。それなのにまだ張り合うの？」

ニッと口の端を吊り上げて笑う紫那幸さん。

この子も、最初に入ってきた頃とはキャラがだいぶ違う気がする……。

でも、どうしてか私はカッコイイと思ってしまった。

私はあんなふうに人にズバズバ言えないから。

ちょっと羨ましいなあって。

「……話が平行線ですわ。だいたい、良くないやり方だったものを、良いやり方に変えようとしているだけですのよ。私に任せていただければ、バレー部は今よりもっと練習がしやすくなりますわ。褒められることはあれど、文句を言われるようなことはしていませんわよ」

不利な状況に立たされても、世羅さんは自分の考えを曲げるつもりはないらしい。

もうなんか、いっそのこと清々しいよ。

そこまで自分の意見を貫ける人っていうのも、なかなかいなそうだもの。

「いや、文句しかないでしょ」

それに対して、ひたすら切り込んでいく紫那幸さん。

この2人、1周まわって仲良く見えるまでありそうかも……。

「マネージャーが自我強くてどうするの？1番大切なことは、若葉先輩がちゃんと教えてくれたのに。あんた、マネージャー向いてないですよ」

とうとう、紫那幸さんはズバッと言ってしまった。