【HQ】鈍感少女番外編6 (ページ10)

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そうだ、兵庫に行こう 8 ページ10

「着いたわよ、若葉さん」

新幹線の中でうつらうつらしていた私は、瑜伽さんの声に起こされた。

見れば、ちょうど新幹線が神戸駅に着くところだった。

慌てて降りる準備をしてから、ホームへと降りる。

夏休みだからか、平日なのに人がたくさんいた。

この人混みは、少しだけ苦手。

圧迫感があって、息がしづらくなるから。

多分、1年前なら倒れていたかもしれない。

あの時は、道を行き交う人もなんとなく怖いと思っていたから。

迷いそうになる私の手を、瑜伽さんが引っ張って改札へと連れていってくれた。

優木さんが瑜伽さんへお願いして、兵庫県に行くことが決まるまでの期間は、僅か1日だった。

つけられた次の日も一応学校には行ったけど、その日は金田一の家に行って、ハジメが来るまで待っていた。

2人の家にも迷惑をかけちゃったから、1日で済んだのはむしろ良かったのかもしれない。

ただ、部活にはしばらく参加出来ないため、きちんと外泊申請と2軍の人たちにマネージャーの仕事を簡単に説明してきた。

でも多分、私より2軍の人たちの方が出来るよね……。

優木さんがいた頃は、自分たちでやっていたんだもん。

優木さんに頼まれた瑜伽さん曰く、部活に迷惑をかける人を懲らしめる関係で、兵庫のある学校に来たことがあるのだそう。

今回はそのご縁で、その学校のバレー部を見学することになったのだ。

私がバレーに関わらないとウズウズしてしまうのを、瑜伽さんは察してくれたらしい。

もう感謝しかない。