【HQ】鈍感少女番外編6 (ページ11)

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そうだ、兵庫に行こう 9 ページ11

瑜伽さんの親戚の家に荷物を置いて、早速瑜伽さんがいた高校を案内来てもらうことになった。

門に書かれた文字は「稲荷崎高等学校」。

あれ……この学校名、どこかで見たような……。

そう思っている間に、瑜伽さんはどんどん進んで行ってしまう。

見失ったら、確実に迷子になっちゃう！

私は慌てて、瑜伽さんを追いかけた。

「失礼します」

いきなり体育館に来た瑜伽さんが、外から声をかける。

中からは、ボールを床に叩きつける音が聞こえてきた。

やっぱり、この音好きだなあ……。

思わず目を閉じて聞き入ってしまいそう。

今流行りの音楽とか、有名な歌とかよりも、私はこっちの方がずっと聞いていられるんだろうな。

「応援するならギャラリー行けや、この……お？お前もしかして……」

ガラッと体育館のドアが開いたかと思えば、金髪の男子生徒が睨みをきかせながら顔を出す。

も、もしかして不良かな？

ちょっと怖いかも……い、いやいや、こっちには京谷さんいるし！

京谷さんの方が怖かったし！

と、パニックになりそうになっていると、彼は瑜伽さんを見てスっと表情を緩めた。

「お久しぶりです、侑さん」

瑜伽さんが挨拶する。

久しぶりってことは、多分知り合いなんだよね？

でも敬語だから1つ上……3年生かな？

「ゆ、瑜伽さん！東京に帰ったんやないんか！」

独特の訛りがある関西弁……そこでようやく、そういえばここ、関西だったとどうでもいいことに気づいた。