【HQ】鈍感少女番外編6 (ページ37)

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岩ちゃんの夏休み 5 ページ37

それは、ちょうど次の日の午後のことだった。

夜ご飯を一緒に作るから、食べたいものを料理本を見て決めておいてとハジメのお母さんに言われた。

ソファーに座りながら、お菓子を片手に料理本を見る。

クーラーのある部屋でのんびりと寛いでいて、これはこれで快適だった。

と、思った次の瞬間、滅多に鳴らない私の携帯が、突然音を立てる。

私の連絡先を知っている人なんて限られているけど、いったいなんの用だろう？

そう思って携帯を開けば、RINEにハジメからメッセージが来ていた。

画像が送信されました、と書いてある通知に、すぐにアメリカの景色でも撮ったのかなとアプリを起動させる。

トーク画面を開いた途端、私は手も口も止まってしまった。

そこに写っていたのは、間違いなくハジメだった。

でも、その隣には見覚えのある人物が写っていたのだ。

……牛島若利。

白鳥沢学園の主将、左利きの絶対的エース。

徹とハジメが何回も負けた、越える目標となっていた人。

そして、春高予選の時に、私のことを助けてくれた人。

今は、影山と同じチームにいるって聞いたけど……なんでアメリカにいるんだろう？

お盆だし、旅行でもしに来たのかな？

え、1人で？

牛島さんに限ってそれはなさそうなんだけど。

いや、それよりも気になるのは……。

カメラ目線になっていない目に、引きつった笑顔。

2人とも……壊滅的に自撮りが下手くそだな。