【HQ】鈍感少女番外編6 (ページ33)

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岩ちゃんの夏休み 1 ページ33

「A、ちょっといいか」

そうハジメに呼び出されたのは、2年生の夏休みに入る少し手前だった。

大学生よりも先にテストが終わっている私は、ようやく部活に専念できるとワクワクしていた。

テスト勉強とか、なくなればいいのに。

そろそろ期末課題が忙しくなる頃であるはずのハジメが、真剣な顔で手招きしていることに、少し疑問を持った。

なんの話か、全く想像がつかない。

でも、ハジメの表情を見て、あまり良い話じゃないのかなとも思ってしまった。

ハジメの後についていった場所は、ハジメの部屋。

どうやら、ここで何か話をするらしい。

いったい、何の話なんだろう……？

部屋のドアを閉めたハジメは、ふーっと大きく息を吐いた。

それだけで、私に話す内容が重いことが伝わってくる。

少しドキドキしながら待っていると、ハジメが口を開いた。

「A、及川とは最近連絡を取ってるか？」

「徹……？取ってないよ。忙しいだろうし」

突然、聞かれたかと思えば徹の話。

まさか、徹に何かあったとか？

留学先で事故とか怪我とか……何か選手生命に関わることが起きちゃったのかな？

「……そうか。A、落ち着いて聞いてくれ」

ああ、待って……その言い方だと本当にそうだと思っちゃう。

そんな保険をかけられたら、落ち着いて聞いていられる自信がなくなる。

お願い、徹は元気だって言って……！

「実は、8月に俺も海外に行くんだ」

……え？