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そうだ、兵庫に行こう 30 ページ32

「ありがとうございます」


北さんの言葉に、少しだけ肩の力が抜けた。

あの時は女の子が怖くて反射的に謝っちゃったけど、多分私が謝る必要はなかったのかも……。

すると、瑜伽さんはそれに気づいたのか私に微笑みかけた。


「若葉さんは、もっと自分に自信を持っていいのよ。せっかくマネージャーとして優秀な力を持っているんだもの。こんな嫌がらせに負けちゃうなんて、もったいないわ」

「せやせや!若葉さんはもっと自信もっとき!」


瑜伽さんの隣で、侑さんも頷いてくれる。

バレー選手としてもすごい人にそう言って貰えると、嬉しいな。


「それよか、瑜伽さんが褒めるってことは、若葉さんよっぽど仕事できる人っちゅーことやろ?ちょっと見てみたいわ」


治さんの声に、私の耳が急に大きくなる。

そんなこと言われたら、ウズウズしちゃう……。


「治、瑜伽さんと若葉さんは、来客やで。自分のことは自分でやり」

「いやでも、瑜伽ちゃんがそこまで言うんは、確かに気になるやんな」


北さんが止めた直後に、尾白さんがそうボヤく。

うっ、そこまで言われちゃったらさ……。


「えーっと……もし良かったら、手伝いましょうか?マネージャーもいないみたいですし」

「ええんか!」

「はい。皆さんの練習を見ているのも楽しかったんですけど、やっぱり身体がウズウズしてしまって……」

「やったー!」


侑さんが、はしゃいだ声を上げる。

無邪気な子どもみたいで可愛いかも。

その後、仕事をしていた2軍の人達のところに案内してもらって、ちょっとだけお手伝いさせてもらった。

北さんは「悪いな」って言ってたけど、私が本気でやりたそうにしているのを察してくれたのか、それ以外は何も言わなかった。

こうして稲荷崎でバレーを堪能しつつ、宮城から声がかかって戻るのはまた別の話。

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作者名:くれは* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月3日 19時

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