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そうだ、兵庫に行こう 19 ページ21
「どや？俺のサーブ！」
得意げな顔と目が合った。
このサーブに対しての自信もすごいな。
きっと、いっぱい練習したんだろうね。
本当にバレーと真正面から向き合っている人なんだな。
「……凄かったです。本当に……近くで見ると迫力がありますし、細かい動作も見えやすいので……すごく綺麗なサーブだと思いました」
模範的な感想になっちゃったかも……。
でも、本当に言葉を失ってしまうくらい、凄かった。
この人がいるチームが少し羨ましいと思ってしまうくらい。
「せやろ！俺のサーブは、世界一！いや、宇宙一やからな！」
自慢げにそう言い切る侑さんは、なんだか可愛かった。
周りの人たちは呆れてるみたいだから、きっとこれが通常運転なんだろうなあ。
頭に思い浮かべたある人と、本当に重なって見えてしまう。
雰囲気も見た目も全然違うのに、なんでこんなに似て見えるんだろう？
「若葉さん、次俺のサーブも見てや！」
「待て、サム！まだ俺のターンや！」
「お前はもう2回打ったやろ！」
治さんがボールを持ってコートに入ろうとした瞬間、侑さんに止められる。
そこからまた言い合い。
でも、なんだか楽しそうだな。
青城よりも少しだけこっちの方が賑やかかも。
ここのバレー部の人たちが、ちょっとだけ羨ましい。
こんなに賑やかで楽しく練習ができて、能力の高いプレイヤーが近くにいるって、すごく贅沢なことだと思うから。
そこまで考えてから、あれ？と1つ疑問が浮かぶ。
稲荷崎って、こんなに強豪なのにマネージャーいないのかな？
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