【HQ】鈍感少女番外編6 (ページ12)

今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:3,006 hit

そうだ、兵庫に行こう 10 ページ12

「実は、ちょっと事情があって、しばらくこっちで過ごすことになったんです。ちょっと早めの夏休みってところです」

「ええなあ。あ、もし観光スポット探してるんやったら、俺に任しとき！とっておきの場所紹介したる！」

瑜伽さんと話す先輩であろう男子生徒は、声は大きいけど瑜伽さんと仲良しそうで、優しそうな人に見えた。

ノリが良くて、花巻さんみたい。

そう思ってボーッと見てると、突然その男子生徒と目が合った。

「瑜伽さん、こっちの人は……って、あっ！」

突然、私を指さして大きな声を上げる。

急に声のボリュームを上げたから、私は驚いて何も言えなかった。

その時、その男子生徒の頭目掛けて、後ろからボールが飛んできた。

「ツム、何してんねん、そんなとこで。はよ練習戻らんと」

その瞬間、私は目を疑った。

だって、その男子生徒とそっくりな人が出てきたんだもん。

もしかして、双子……？

いや、それ以外考えられないよね。

顔のパーツも髪型も体型も似てるもん。

すると、頭にボールが当たった男子生徒が顔を上げた。

「いってぇ……いきなり何するんや、サム！用があるなら口で喋れや口で！」

「お前がいつまで経っても来ないのがあかんのとちゃうんか？俺はお前を呼びに来ただけやで」

「その呼び方が悪いっちゅうねん！今ので俺の脳細胞1億個は死滅したわ！」

「そんな死滅したら今頃アホすぎてバレーできてないやろ。それとも、ほんまに出来ひんのか？」

な、なんか喧嘩始まっちゃったんだけど……。