受験勉強 10 ページ2
「お前……大丈夫かよ？」
3人で一緒に行こうと待ち合わせた場所に来た私は、初っ端国見に言われてしまった。
無理もないと思う。
今日も明け方に発作を起こして、そこからずっと寝られなかった。
もうこんな毎日は嫌だった。
落ちていても受かっていてもどっちでもいい。
今日でこの緊張から解放されるのだと思えば、なんでも良かった。
フラフラの状態だった私は、両脇から金田一と国見に支えられながら合格者の番号が書いてある掲示板に向かった。
私の番号は「1423」。
既にたくさんの人が集まっている中で、それをすぐに見つけるのは困難だった。
背の高い金田一が、私と国見の分も探してくれている。
身長が低い私は、みんなの頭しか見えなかったから。
少ししてから、金田一が満面の笑みで戻ってきた。
「国見も若葉も番号あったぞ！これで3人で同じ高校行けるな！」
金田一の言葉が、最初は信じられなかった。
私……合格したの？
すると、私の脇にいた国見が、今度は掲示板の方へと歩き出す。
国見もしばらくしてから、少し頬を緩ませて戻ってきた。
「……あったよ。お前も、俺も」
「っておい、俺のこと信用しろよ！」
疑われた金田一が不満そうな声を上げる。
でもその声も、どこか嬉しそうだった。
そっか……本当に私、合格してたんだ。
番号が見えないから直接見られたわけじゃないけど、2人が言うんだから間違いない。
良かった……本当に良かった。
どっちでもいいなんて言ったけど、本当は合格していた方が断然良かった。
金田一にも国見にも、ハジメにもハジメの両親にもいっぱい感謝しなきゃだな。
そう思った矢先に、ホッとして気絶してしまうのはまた別の話。
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