そうだ、兵庫に行こう 1 ページ3
いつもの帰り道、金田一、国見、私のいつも一緒に帰るメンバー。
それなのに、私たちの間に流れる空気は緊張感が漂っていた。
その原因は、後ろから聞こえる足音だった。
人の気配に鈍い私も、こればかりは気づいてしまった。
だって、明らかに私たちの後ろを付けてきてるんだもん。
私が気づいているのなら、当然金田一と国見も気づいている。
チラッと2人の顔を見れば、僅かに緊張していた。
……誰かにつけられるのは初めてじゃない。
前にもあった……あったけど、あの時はある程度誰だか予想がついていた。
でも今回は、本当に分からない。
最近は特に嫌がらせされているわけじゃないし、誰かとトラブルになったわけでもない。
それとも、私が知らないうちに何かしてしまったんだろうか?
そんなことを考えているうちに、いつもの分かれ道まで来てしまった。
もし、後ろの人が私を狙っているのだとすれば、このまま帰るのはちょっと怖いかも……。
いや、でも金田一か国見に用がある人かもしれないし!
私とは限らないし!
うん、私じゃないよね。
私、何も心当たりがないんだもん。
そう思った直後、突然グイッと国見に腕を引かれた。
「ここで1人になるな。取り敢えず、俺の家まで2人とも離れるなよ」
ギュッと私の腕を握った国見の腕は、僅かに震えていた。
冷静に見える国見だけど、本当は怖いんだ。
それは、後ろにいる人が単に害のない人だと言いきれないと分かっているからだと思った。
だって、国見が人相手に怯えることなんて滅多にないから。
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