ソファで.. ページ22
「なにやってんの(笑)ホラ」
ユラユラ揺れたグラスの中身がおさまると
また私の手に持たせてくれた
「寝ちゃったのかと思いました」
「ハッ
そんな一瞬で寝る奴いる？(笑)
けどさ、こうやって目閉じると
1日終わったーってホッとする
やってみ？」
「え？」
「深くもたれて目閉じんの」
「あ、はぃ」
言われた通りソファの背もたれにもたれたら
想像以上に体が気持ちよーく埋もれるなんとも心地のいいソファ
「ヤバイですね。これ」
目を開けたいのに開けられない
このまま寝てしまいたい
布団が欲しくなる心地よさ
「桜寝るなよ」
っ！！
「はいっ！」
「寝そうだったろ」
「ソファが！」
「そう、酒飲んで目閉じたら最後」
「はい、でもこんなソファ家にあったらいいなー」
「1日の疲れとかさ嫌な事とかさ
取れる気するだろ」
「嫌なこと...」
「そ、嫌なこと
例えば好きな女と別れたとか？」
「........」
..え
どういう...
櫻井部長と目があったまま
その交わった視線を外すことが出来なかった
「見てた？昼」
「っ！！や！えっその..
ちがうんですっ」
違うんですっておかしい！！
すっとぼければいいのになにやってんの私っ
血の気が引いて冷や汗がでる
「ふはっ
やっぱりかー(笑)」
え？
隠しきれなかった私の反応を見て
眉毛を下げて笑った
「っごめんなさい」
「ん？なんで？」
「その..」
「......」
「......」
怒ってるかな..
あんなとこ見て
見られたくなんてないはず
「慰めの会へようこそ」
そう笑うとカチンってまたグラスをぶつけた
「櫻井部長..」
「ちょ、やめてよ
そんな可哀想な顔で見ないの」
って私のほっぺをプニーーって引っ張った
きっと無理してる
辛くて仕方ないはず
全然そんな素振り見せなかったけど
「私が代わりに..」
そう言ったらほっぺをつまんだ指の力が弱まった
「は？
なんの？」
「下川さん..の...」
「......」
一瞬表情が曇った
「代わりになってくれるんだ？」
コトンってテーブルにグラスを置くと
私の肩をトンって押した...
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3662人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さわ
| 作成日時：2016年10月30日 20時
