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心配性 ページ8
「南、大丈夫か？帰れる？
てか、お前ちょっと遠いしタクシー拾え。な？」
「ですね..その方が楽..」
先輩が財布からお札を取り出して
私に渡そうとするから
「ちょっと！
そこまでしてくれなくて大丈夫です！
先輩の子供じゃないんだから」
なんて、冗談で返したけど
ありがと
こんなにまわりに気を使わせてしまってた事に、申し訳なくて
大人として全然だめだ。と思った
「いいから！
やっぱ送ろっか？！」
「大丈夫ですよ。ほんと！
っあ！！終電！！
ほら、先輩連れて帰って」
出したお金を財布に戻して
タクシー代払うって！
とか言う先輩の財布を後輩に渡す
心配性な先輩を後輩たちに押し付けて
渋々帰った後ろ姿に
何度もありがと。って言った
ふぅーほんと飲みすぎた
タクシー呼ばなきゃ..
先輩達の姿が見えなくなって
店の前でタクシーを捕まえないとな...とか思いつつ
気丈に振る舞ってた頭は
実はかなりぽーっとしていて
ふらつく体を支えるように
街路樹にもたれて
走るタクシーを一応目で追っていた
ボーっと見てた視界が
ガラッと変わって
そこに一台の黒塗りのバンが停まる
後部座席の窓がスーって開いて
そこからマスクをした男の人が私の名前を呼んだ
「南さん？」
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作者名：さわ
| 作成日時：2015年4月17日 20時
