Episode.6 やりたいこと ページ28
あれから数年。前よりもずっと丈夫で綺麗になったスタジアムに入る。ジムトレーナーさん達に挨拶しながら仕事部屋に行くと、サンドイッチを食べる兄さんがそこに居た。
「おールミア。
珍しいな、どうした?」
「少し話があって。今大丈夫?」
「……悪い。その前に一つ頼みがあるんだがいいか?」
「頼み?」
「これ、一緒に出てくんねーか?」
兄さんが手に持っていたのは一枚の封筒。
そこに書かれている文字を見て、心臓がひゅっと鳴った。
「毎年、ジムチャレンジ時期が終わったら開催してんのは知ってんだろ?ガラルスタートーナメント」
大勢の前でバトルしたのなんてジムチャレンジ以来。
どうやってあの頃バトルをしてたかなんて覚えてない。
───出来るわけ、ない。
「お前が苦しんでたのはわかってる。そのせいで人前に出なくなったのも知ってる。だけどオレはルミアと一緒にバトルしたい。もう二度と傷つけさせないから。な?」
私は皆が使うようなSNSのアプリを使わない。
でも兄さんが動いてくれていたのは知ってる。
甘えてばっかりだ、私。
何も変われてない。変わってない。
それじゃあなんの為にここに来たのか分からないじゃないか。
「出る。私も兄さんとバトルしたい!」
これは新たな一歩。
次に進むための、大きな。
「決まりだな。行くぞ!」
「えっ今から!?」
「おう!急げ!!!」
腕を引っ張って走る兄さんは少年のように笑っていた。
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パティあす(プロフ) - ハノンさん» 最近1から読んでくださったんですかね?長くて大変だったと思いますが読んでくださってありがとうございます!引き続きよろしくお願いします! (3月14日 18時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
ハノン(プロフ) - “温もりを知らない”から読ませていただきました!細かい描写がたくさんあってとても素敵な作品ですね😭こちらの作品も見ます!無理せず頑張ってください! (3月14日 16時) (レス) @page25 id: 1f618da4ab (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - もなかさん» ありがとうございます!アニメ見てない方にも楽しんでいただけるように頑張りますね! (3月7日 13時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 新作、おめでとうございます!!実はアニポケは追えていないのですが...楽しく読ませて頂きます!!これからもがんばってください!!! (3月7日 10時) (レス) @page2 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パティあす | 作成日時:2024年2月20日 1時