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「それじゃあ俺からも一ついいか?」
「?はい!」
「一緒に来ないか?」
「……へっ?」
主語のない、突拍子のない言葉に素っ頓狂な声が出る。
それでいて何となくその意味を理解していた。
「この船で一緒に旅をしないか?ってことだ。
もちろん無理強いはしない。ルミアが自分の足でその地に行って旅をすることも立派なことだ。でもチームで、一緒に旅をすることで得られることもたくさんある」
「チーム、ですか?」
「ああ。俺達ライジングボルテッカーズは一つのチームだ。
チームってのは」
「仲間で家族……」
いつの日か教わったその言葉をそのまま復唱する。
懐かしさに顔を綻ばせた。
「そう!それに俺は博士の称号も持ってるからな!
ルミアの研究も手伝えるはずだ」
「フリード博士のことは知ってますよ。半信半疑でしたけど。
でもどうしてそこまで?」
それなりにSNSを利用するようになったルミアはよくポケモンの情報を得ていて、ポケモン博士の出す論文も一通り目を通している。逆にそれ以外の用途では連絡を取るくらいしか使わないのだが。
だからこそそんな有名な博士が自分を誘うということにあまりピンと来ていなかった。
「……今日の敵、エクスプローラーズの魔の手からリコを守るために戦力がほしいんだ。
もちろん誰でもいいわけじゃない。
危なっかしいくらいに他を思いやれるその優しさと、揺るぎない強さを持つ君が、俺と同じ夢を持っていたからだ」
「フリードさんって正直なんですね」
「さすがに勧誘している俺が嘘つくわけにはいかんだろ……
あーこんな小っ恥ずかしい話はやめだやめ!
返事は急がないから決まったら連絡してくれよ」
クスクスと笑うルミアに、恥ずかしそうに頭を乱雑にかいたフリードはスマホロトムで連絡先を教える。
次の日の朝、船から降りたルミアの心は既に決まっていて。
その足で真っ直ぐナックルシティに向かった。
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パティあす(プロフ) - ハノンさん» 最近1から読んでくださったんですかね?長くて大変だったと思いますが読んでくださってありがとうございます!引き続きよろしくお願いします! (3月14日 18時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
ハノン(プロフ) - “温もりを知らない”から読ませていただきました!細かい描写がたくさんあってとても素敵な作品ですね😭こちらの作品も見ます!無理せず頑張ってください! (3月14日 16時) (レス) @page25 id: 1f618da4ab (このIDを非表示/違反報告)
パティあす(プロフ) - もなかさん» ありがとうございます!アニメ見てない方にも楽しんでいただけるように頑張りますね! (3月7日 13時) (レス) id: eca4eceaa9 (このIDを非表示/違反報告)
もなか - 新作、おめでとうございます!!実はアニポケは追えていないのですが...楽しく読ませて頂きます!!これからもがんばってください!!! (3月7日 10時) (レス) @page2 id: 3fa804da04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パティあす | 作成日時:2024年2月20日 1時