カルミアは世界を知りたい

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「あの、フリードさんはこの船で色んなところを見て回ってるんですよね？」


「ああそうだな。
それがどうかしたか？」


「質問なんですけど、ガラルから見たこの星空と他の地方で見た星空は変わってくるんですか？」



空を見上げていて思ったのだ。このどこまでも続く空に変化はあるのか。


どこで見ても同じなのか、違うのか。


いつもなら気にしたこともなかったその空がルミアの中の何かを突き動かした。



「そうだな……」


「やっぱり、今のは聞かなかったことにしてください。
いつか自分で見に行きます」



フリードは今まで見てきた空を思い返しながら言葉を選ぶ。
しかし言葉を被せてまでそう宣言したルミアにフリードは満足そうに頷いた。そしてその時には既にあることを考えていた。





「ルミアは空に興味があるのか？」



その質問に今度はルミアが頭を悩ませる。
興味がないことはないがそれとはまた別の問題な気もして、何を答えるべきか模範解答を探していた。



「どうでしょう。私は閉鎖的な空間で生きていたので知らないことばかりなんです。


だからそれを知りたい。本の中でしか見たことない世界を実際に自分の目で見てみたいんです。


そのために私は今ポケモンのことを研究しています。
ポケモンのことを知れば世界にも触れられると思って。


もちろんそれ以外にも目的はあるんですけど」



けれどいくら考えてもそんなものが見つかるはずもなく。
気付けば今感じていることをそのまま口にしていた。



「それがルミアの夢か？」


「夢……はい。
それが私の夢です！」


「いい夢だな」


「ありがとうございます！」



あの日から十数年。
一度は諦めた未来を今歩もうとしていた。

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