カルミアは温もりを知らない９

433話 ページ48

『一気に行くよ！でんこうせっか！』


「近づけるな！りゅうのはどう！」



目にも止まらぬ早さで走るレンカを足止めするように放つ。
少しヒヤヒヤした。いくらレンカの技術を見てきたとは言え、正確に足元を狙ってくるのだ。一瞬でも脚を弛めていたりしたら当たっていただろうなと断言できるくらいには正確だった。


でもレンカは当たらなかった。
ずっとやってきたその積み重ねが糧となって、勇気をくれる。



『ばかぢから！』


「バクガメス！」


《バクガメス、戦闘不能！》



審判の声でようやく少し先に扉が見えた気がした。





＿＿＿＿＿

＿＿＿



次に出してきたのはジュラルドン。
こちらは一度レンカを戻して、再度ライトを繰り出した。


狙いはただ一つ。
下がった能力を元に戻すこと。欲張るなら、それ以上。



『のろい！』


「ストーンエッジ！」



もう一度のろいを積み、攻撃に備える。
連なる岩はジュラルドンの姿を消し、探す暇すら与えずに増えていった。


辺りを見渡すライトの目の前に接近する岩を崩すように技を指示すると赤黒いエネルギーを内側から放ち、容赦なく岩を壊していく。



「そこだ！ボディプレス！」



その声と同じタイミングでライトに影がかかり、上を向けば降ってくるジュラルドン。不意をつかれたその攻撃を避けられるはずもなく、ライトに直撃した。

イラスト紹介→←432話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す