カルミアは温もりを知らない９

419話 ページ34

『そのままシャドーボール！』



落下しながら溜めた影のようなエネルギー弾を着地と同時に放つ。足の遅いコータスが避けられることもなく、直撃した。



「コータス大丈夫か!?」
「コー!!!」



それでもまだやれると言わんばかりに立ち上がる。
ミラーコートで返した分のダメージとシャドーボールのダメージを合わせても倒れないのか。分かってたけど、やっぱりすごい。



『だけど私達も負けてられないよね。
フルパワーで行くよ、ふぶき！』


「負けんなコータス！
決めるぞ！ふんえん!!!」



あらゆるものを吹き飛ばしそうなほどの激しい吹雪を耐え、甲羅の中で燃やし続けた真っ赤な炎を放つ。


それは一瞬でコスモを戦闘不能にするほどの威力で。
耐えると踏んでのふぶきだったのに、まさかの結果に言葉を失う。



「グレイシア、コータス、共に戦闘不能！」


《グレイシアのふぶきも見事でしたが、急所に当てたコータスも見事！》
《用心深いスレナ選手のことですからグレイシアにどんな攻撃が来ても耐えられるという確信があってこその指示だと思われますが、運というものは恐ろしいですねぇ》



違う。偶然なんかじゃない。
狙って当てたんだ。



「サンキューなコータス。
ゆっくり休んでくれ」



目を回すコータスをボールに戻しそう告げたお兄ちゃんをぼんやり見つめていると、こっちに視線を飛ばしたかと思えばニヤリと口角を上げる。


背筋に悪寒が走って変な汗が吹き出した。


これが……最強のジムリーダー。

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