48 青とオレンジの過去2 ページ49
ci｢(爺ちゃん、もう寝た？)｣
ut｢(おん)｣
ci｢(今日の冒険も楽しかったな！)｣
ut｢(空)｣
ci｢(ん？)｣
ut｢(見た事ある？)｣
ci｢(あるよ！)｣
ut｢(青いって聞いた)｣
ci｢(うん、青くて風が気持ちよくて、夜にはいっぱいの星がキラキラ輝いとるんやで！)｣
ut｢(星…)｣
ci｢(見た事ないの？)｣
ut｢(おん)｣
ci｢(じゃあ、見に行こ！)｣
ut｢(え……)｣
ci｢(あんな綺麗なやつ見た事ないなんて、勿体ないで！)｣
ut｢(やけど……)｣
ci｢(おじいちゃんからは、危険だから行ったらあかんって言われてるけど、大丈夫やって！少しやしな！)｣
ut｢(……分かったわ)｣
ci｢(決まりやな！)｣
────────
それから僕はあいつと一緒に外へでた。空を見た。川に入って魚を見た。森へ行った。そして、夕暮れを見た。
ci｢(綺麗やな！)｣
ut｢(夕日…)｣
ci｢地上はこんなに綺麗やのに、おじいちゃん、なんで危険って嘘言うんやろ？｣
……
ci｢あれ？誰の声？｣
ut｢…夕日の声？｣
ci｢え？に、人間になっとる…やん｣
ut｢…え？｣
主人｢お、お前たち…｣
ci｢おじいちゃん…｣
主人｢今…い、犬が…人間に？ど、どういう事じゃ!?｣
ci｢なんでここに…？｣
主人｢そ、そうじゃった。お前たち！何故こんな、危険な地上へ来たんじゃ！｣
ut｢それは…｣
主人｢あれだけ、注意しておいたじゃろう！｣
ci｢おじいちゃん、僕が悪いんだよ！｣
主人｢兄であるお前が、しっかりしなくてどうするんじゃ！｣
ut｢……｣
主人｢いつもわしの傍を離れちゃいかんと、言ったじゃろ！｣
ci｢おじいちゃん、だからそれは僕が…｣
主人｢お前は黙っておれ！ワシがどれだけ心配したか、分かってるのか!?｣
ut｢全然…｣
主人｢なんじゃ!?｣
ut｢…危険じゃないで｣
主人｢危険じゃない、だと!?お前たちは地上の事を、何一つわかってないからそんな事が言えるのじゃ！こんなに、暗くなるまで出歩いて！早く、地下へ戻るぞ!!｣
ut｢嫌や……｣
主人｢なんじゃと!?お前は兄貴じゃろう！わがまま言ってどうするんじゃ！｣
ut｢帰り…たくない…｣
主人｢なんじゃと…｣
トコトコ
ci｢え!?ま、待ってー！｣
───────
ci｢ここにいたんや！おじいちゃん、心配してるよ？｣
ut｢……｣
ci｢おじいちゃんの事、嫌いになった？｣
ut｢違う…｣
ci｢そうやんな…｣
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作者名：さきねこ x他1人 | 作成日時：2022年12月6日 14時
