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俺はそれを見て何かが切れた気がした。そこからの意識は何も無かった。
気がついたら俺は口にナイフを咥えていた。そして周りは、血の海になっていた。
os｢…メゥ(これ、俺が……)｣
嫌でもわかった。何が起きたか。俺が周りのヤツらを血の海にした。ほんと、無意識だったんだろう。感覚も、匂いも、動きも、何一つ覚えていなかった。
周りにいた人は俺を恐怖の目で見ていた。
男は俺に怯えたのか、城へ逃げていった。
周りよ人もいなくなっていた。
俺はこの真ん中でポツリと立っていた。
os｢ご主人様…俺、守れなかった…ごめん、ごめん、なさい…めぅ｣
どこからが聞こえた誰かの声。
俺の思っていたことをそのまま話してくれた。
誰かも分からないのに、何故か俺はその声が安心した。
感覚が変だ。
嗅覚も、聴覚も。
今までとは違った。
そこで分かった。
os｢…この声、自分だめぅ…｣
人間になった
os｢っ、なんで、なんで今人間に…もっと、もっと早かったら…ご主人様を、ご主人…様……を、守れたのに…｣
守りたい人を守れなかった自分が憎かった
人間になるタイミングを憎んだ
どれだけ憎んでも憎んでも
ご主人様は帰ってなんか来ないのに。
─────────
何をすればいいか分からなかった。
けど、この国にはいたくなかった
だから旅をする事にした。
逃げるように海へ出て……
気がついたら眠っていて、遭難していた
知らない島の海岸に
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作者名：さきねこ x他1人 | 作成日時：2022年12月6日 14時
