恐がらなくてもいいんだ...【不機嫌なモノノケ庵】

法池-ﾎｳﾁ-5 ページ49

「立法がもっと力のある奉公人を
雇わせたいのは分かってる
だが俺も考えなしに雇った訳じゃない
＿それに奉公人が務まらないと思ってたら
最初からこいつのこと雇ってねぇよ」

(安倍さんが意外と期待してくれてる!?)

「...ふーん、この子は?」

「...南海は、"妖怪のため"俺の手伝いをしたい
と言ってくれた」

「.....ほんとに?」

立法さんは、南海さんをじっと見

「はい｡...正直、まだ妖怪は怖いです…｡
私は小さい頃から、妖怪が見えてしまう体質で
こんな体質いらない｡なくなっちゃえばいいのに...
って何回も思いました｡ですがこの体質があったから、安倍さんや芦屋くん｡様々な妖怪に出会えました｡それに優しい妖怪もいるんだなって分かりました!怖い妖怪もいますが...でも今はこの体質があって良かったなって思います!こんな私でも安倍さんのお役に立てたらなって思って奉公人になりたい｡と
安倍さんに言いました」ﾆｺｯ


「それに南海も危なっかしい所もあるが
芦屋より役に立つしな」


安倍さん酷ｯ!!俺だって結構...
.....あ、役に立ってない方が多い｡

「ふーん｡えーと、南海...?」

「あ...南海Aです!」

「うん、南海Aちゃん奉公人を認める!」

「...!!有難うございます...!!」

「さてと、話を芦屋くんに戻して、と」

「＿＿立法がこいつを"クビにしろ"と
俺にルールを下すなら俺はそのルールには
逆らえない｡だがルールが下らない限りは
芦屋を辞めさせる気はない」

「...ってイツキは言ってるがキミはどうなんだい?
人間であるキミが...あぁAちゃんもか｡
まぁ、Aちゃんは認めたからいいとして、
そんなキミが妖怪のために、
身と心を尽くし働けるのかい?」

人間の俺が...妖怪のために尽くせるか?

「確かにイツキもキミと
Aちゃんと同じ人間だが
妖怪のために働く覚悟も責任感もあると
信用できたから物怪庵の主を任せた
実際主になった後も驕ることなく妖怪達の
ためによく務めてくれている
働き過ぎて倒れやしないか...
こっちが心配するくらいね」

「立法が心配しすぎなんだよ
つーか俺の話はいいだろ」

人間の俺が物怪庵の奉公人として
妖怪のために尽くせるか...か

妖怪のために

妖怪のために＿

妖怪のために尽くせるか＿

「立法さんの言う通り俺は妖怪じゃなく人間です
でも人間だからと言って...もし
"人類のために尽くせるか"って問われても
それもやっぱりピンとこない!」

「あ"?」

(芦屋くん...?)

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