74話 脱皮 ページ29
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「君に言う義理は無いね殺せんせー。だがこれで納得したろう。
両親も違う、育ちも違う。だが...この子と君は兄弟だ」
やっぱり...私の考えは正しかったみたい。
「しかし怖い顔をするねぇ。
何か...嫌な事でも思い出したかい?」
楽しそうに話すシロさん。
嫌な事...。過去に何かあったからこんなにも怒ってるのか?
それにしてもシロさん...、ピンポイントで当てにきた。まるでタコせんせーを知っているかのような口ぶりで。
シロさんは一体......。
「......どうやら、あなたにも話を聞かなきゃいけないようだ」
「聞けないよ。死ぬからね」
シロさんはそう言うと左手を少し上げ、服の隙間から光を放出した。
タコせんせーはその光をモロに浴びていた。
「この圧力光線を至近距離で照射すると、君の細胞はダイラタント挙動を起こし、一瞬全身が硬直する。
全部知っているんだよ。君の弱点は全部ね」
「死ね、兄さん」
シロさんが親指を下に向けると、まるでそれが合図だったかのように堀部君が攻撃を仕掛けた。
もの凄い勢いとスピードで、タコせんせーを襲う触手。
目で追うことは容易いが、一般人のはずの彼がこんなスピードを出せることに少なからず驚いた。
いや、触手を所持している時点で既に一般人とは程遠いのだけど...。
というか、タコせんせーもまぁ心配だけど、それよりも校舎の床が心配。抜けないかな?
「うっ...うぉぉっ......」
「殺ったか!?」
「......いや、上だ」
寺坂君の言うように、タコせんせーは天井に張り付いていた。
荒い呼吸を繰り返している。
まだ始まって数秒だと言うのに、早くもスタミナが切れかかっているタコせんせーを見て、堀部君の実力は本物だと確信する。
......あれ?
タコせんせーの下にある、あの薄皮みたいなの何だろう?
『ねぇ〜、カエデぇ?』
「ん、どうしたの?」
『せんせーのぉ下にあるぅ、あのぉ薄皮みたいなのなぁに?』
「あ、そっか。Aは途中から来たから知らないんだよね。
あれは殺せんせーが脱皮した後のやつだよ。
月一の奥の手なんだ」
カエデの言葉に目を見開く。
月一の奥の手。それをこんなにも早く使わせるなんて......。
堀部君ガチで凄い奴じゃん。
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小桜(プロフ) - 猫耳パンさん» こちらの方でもコメントくださり、本当にありがとうございます😃大好きと言ってもらえて嬉しいです! (2021年11月26日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
猫耳パン - この作品大好きです。 これからも頑張ってください。 (2021年11月26日 22時) (レス) @page14 id: f830ddeebe (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - コメントありがとうごさいます。凜ちゃんの生みの親としてとても嬉しいです! (2021年11月7日 20時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
こぐら - とっても面白いです!凛ちゃんのキャラが個人的に好きです。可愛い...! (2021年11月7日 20時) (レス) @page44 id: c60a472fe3 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - せせせせせええええええええええええさん» とっても嬉しいコメント、ありがとうございます!毎日更新できるように頑張ります! (2021年10月3日 20時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小桜 | 作成日時:2021年8月24日 22時