43話 天使再び ページ46
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「庭の草木も緑が深くなっていますね。春も終わり、近づく初夏の香りがします!」
周りに音符とかを浮かべてそうなルンルンした声で自律さんが言う。昨日の無機質な表情から一変、中学生らしい表情をした可愛い女の子だ。
タコせんせーが付けた音楽機能の曲が、彼女のイメージにピッタリで、彼女の魅力がより引き立っていた。
「たった一晩で、えらくキュートになっちゃって......」
『可愛いですよねぇ。天使のようですっ!』
「これ一応......固定砲台......だよな」
スカートの前で両手を組み、ニコニコと笑みを浮かべている自律さんは、控えめに、かなり控えめに言っても天使である。
このような感情を以前、潮田君やカエデにも持ったことを思い出す。うん、皆天使だね。
「何ダマされてんだよお前ら。全部あのタコが作ったプログラムだろ。愛想良くても、機械は機械。どーせ、また空気を読まずに射撃するだろ、ポンコツ」
寺坂君が嫌みったらしく発言した。
すると、自律さんは寺坂君の方を見て(物体が動いて)、涙を流した。
「......おっしゃる気持ち分かります、寺坂さん。昨日までの私はそうでした。ポンコツ......そう言われても返す言葉がありません。」
ぐすんぐすん泣く彼女を見て、女子達が寺坂君を責め付けるように言い始めた。
「あーあ、泣かせた」
「寺坂君が二次元の女の子泣かせちゃった」
「なんか誤解される言い方やめろ!!」
『ねぇ...カエデぇ』
「ん?どした?」
それを少し離れた場所で見ていた私は、カエデに話しかけた。
『天使ちゃん2号のことぉ......寺坂君がいじめてるのぉ。......はっ倒してきてもぉ、いい?』
「駄目だよ!?」
手に対先生ナイフを持って寺坂君の方へ向かおうとする私を、カエデが羽交い締めにして止める。地味に首が締め付けられて、苦しい。
『どぉしても、ダメぇ?』
「駄目だよ!Aみたいな、か弱い女の子が寺坂みたいな男に向かったって勝ち目ないんだから!」
『大丈夫だよぉ!知ってる?男の子のアソコ蹴れば1発なんだよぉ!』
「知ってるけど、駄目だってば!
A、今日なんかおかしくない?」
『通常運転なんだけどなぁ......。天使ちゃん2号がぁいるからかなぁ?』
「さっきから思ってたんだけど、その2号って何?」
『私にとっての天使ちゃんはぁ、もぉ1人いるからねぇ』
ニコニコしながら言うと「ふーん」と返ってきた。おいおい、聞いといて全然興味なさそうだな。
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小桜(プロフ) - 実力派エリートさん» うわぁぁ! 本当ですね、間違ってました! 私も英語が苦手なことがバレてしまった……。こんな初歩的なのに。教えていただきありがとうございます。訂正してきます! (2022年8月21日 10時) (レス) @page14 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
実力派エリート - コメント失礼します。 I'm tired. の訳は私は疲れています。ではないでしょうか。違ったらすいません。 (2022年8月21日 10時) (レス) @page14 id: 4673827fe0 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - nanako1201さん» ご指摘感謝いたします! 訂正しました! (2022年7月25日 17時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
nanako1201(プロフ) - 鬼にならんことをだと鬼になりますようにって意味になっちゃいますよ! (2022年7月23日 18時) (レス) @page16 id: ced68c71ce (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 如月蛍さん» コメントありがとうございます!ご指摘感謝致します。全部直してきました!また誤字脱字がありましたら教えて頂けると有難いです......!(ボソッ (2021年8月17日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小桜 | 作成日時:2021年6月28日 22時