35話 救出 ページ38
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「っ!?」
突如、上から落ちてきた私に驚いてか、鬼は目を白黒させていた。
『鬼さんよ、甘いよ甘いよ。こんな夜中だからこそ鬼殺隊が出回ってるんだから。油断大敵だよ。...てことで、死んで?』
「待て待て待て。話の脈略が可笑しいだろ」
『そお?』
ごちゃごちゃとうるさい鬼をほっといて、私の後ろでポカーンとしているオネーさんに話しかけた。
『オネーさん、大丈夫ですか?』
「あ、貴方は......?」
『私は鬼殺隊の隊員です』
「鬼殺......隊?」
『詳しいことは後ですよ。それより怪我はありませんか?』
「は、はい...。大丈夫です」
そう言って立とうとするが、直ぐにヘニャリとへたりこんでしまった。
ありゃ......。恐怖のあまり腰が抜けちゃったかな。
『大丈夫ですよ、慌てないで下さいね。オネーさんはここで待ってて下さい。あの変態は、私が責任を持って始末するんで』
「誰が変態だ」
『お前以外に誰がいる』
オネーさんに下を向いておくよう指示をし、鬼を向き直る。刀を前に突きだし、いつ斬りかかっても大丈夫なようにする。
「この時代にも鬼殺隊がいるってのは、本当だったんだな」
『あら、知らなかったのね。私達こそ驚きよ。大正の時倒したと思った鬼達が、生まれ変わったこの世でまた会うことになるなんて。おかげで鬼殺隊再結成よ』
「はっ、それはご苦労なこって」
『鼻で笑うな。むかつく』
「......お前って、素直だよな」
『それは褒め言葉かしら?』
「好きなように受け取れよ」
その言葉を機に、私達は同時に攻撃を仕掛けた。私は刀で、鬼は拳で。
鬼は体の大きさに反して、意外に素早く拳の威力もデカかった。フィジカル的には不利だな、私。
「どーしたぁ?鬼殺隊の剣士さんよぉ。動きが遅いんじゃねぇか?」
『......』
「おぉ?本当のこと言われて反応できないってか?」
相変わらず下品な笑いをする鬼に、私の怒りゲージはMAX。
『うるっせぇよ、お前!その喋り方していいのは実弥さんだけなんだよ!!』
ぶんっ!と刀を大きく振りかざし、相手の胸板に傷をつける。
「グハァ!」
よし、一気に畳み掛ける!
『空の呼吸 壱の型 飛天』
久々に呼吸を使って鬼を倒す。
この型は私のお気に入りの型。踊り子のように舞いながら倒せるって、素敵じゃない?
私の攻撃は見事鬼に命中し、相手は何かを呟きながらこの世を去っていった。
『来世は善良な人間を全うできますよう...』
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小桜(プロフ) - 実力派エリートさん» うわぁぁ! 本当ですね、間違ってました! 私も英語が苦手なことがバレてしまった……。こんな初歩的なのに。教えていただきありがとうございます。訂正してきます! (2022年8月21日 10時) (レス) @page14 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
実力派エリート - コメント失礼します。 I'm tired. の訳は私は疲れています。ではないでしょうか。違ったらすいません。 (2022年8月21日 10時) (レス) @page14 id: 4673827fe0 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - nanako1201さん» ご指摘感謝いたします! 訂正しました! (2022年7月25日 17時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
nanako1201(プロフ) - 鬼にならんことをだと鬼になりますようにって意味になっちゃいますよ! (2022年7月23日 18時) (レス) @page16 id: ced68c71ce (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 如月蛍さん» コメントありがとうございます!ご指摘感謝致します。全部直してきました!また誤字脱字がありましたら教えて頂けると有難いです......!(ボソッ (2021年8月17日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小桜 | 作成日時:2021年6月28日 22時