任務先でぶりっ子始めました

２２話 修学旅行１日目 ページ25

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「うわ...A組からD組までグリーン車だぜ」

「E組(うちら)だけ普通車。いつもの感じね」


中村さん達が愚痴を溢す。それにすかさず反応したのは、本校舎の教師だった。


「うちの学校はそういう校則だからな。入学時に説明したろう」


ようは差別なんでしょ。椚ヶ丘には腐った奴が多いな。

本校舎の在り方に呆れていると、ポンッと肩を叩かれた。振り返ると、皆のママンでお馴染みの原さんがいた。


「友田さん、私達はあっちに移動するから一緒に行きましょう」

『うんっ！教えてくれてぇありがと！』


私がこんなにぶりっ子しててもニコニコ笑顔のまま。そうか、この人が女神か。


お館様から許可をもらった私は、その日のうちに班に入れてくれる人達を探し回った。４班のうち、２班は定員オーバーする為残りの班を当たった。頼みの綱であったカエデの所へ行くと、


「Aは他の人とも仲良くしなきゃ駄目だよ。入れてあげたいけど、それじゃいつまでたっても友達できないよ？それでもいいの？」


ド正論で返された。天使ちゃんは苦笑、赤羽君は爆笑していた。赤羽、お前はとりま爆ぜろ。

カエデに見放された私が途方に暮れていると、女神が現れた。


「あの...友田さん。良かったら一緒の班にならない？」

『ぇ...』


私は思わず５度見してしまった。


『いいのぉ...？』

「もちろん！友田さんとはまだ話したこと無かったから、話してみたいって思ってたんだよね」

『原さん達が良いならぁぜひぃ！！』


すがるような思いで原さん達の班に入れてもらったのは良い思い出だ。寺坂達に嫌な顔されたのは記憶から抹消しよう。

そして今に至るというわけだ。


「あ、席どうしよう」

『ぁ、そっかぁ。７人班だからぁ必然的に１人余っちゃうのかぁ』

「僕が別の場所に移動しましょうか？」


竹林君が申し出てくれたが、それは申し訳ない。ここは後から入った私が行くべきだろう。


『竹林君はぁここにいて？私が別の場所にぃ行くから』

「え、でも─」

「原ぁ」


寺坂君が原さんの言葉を遮った。オイテメェ、何女神様のお言葉を遮っとんじゃ。


「そいつが行くってんだから行かせりゃいいだろ。俺等もそんな奴と一緒にいたくねーしよぉ」

「寺坂君！その言い方はないでしょう？」

『原さん、いいよいいよぉ』


寺坂君を叱る原さんを何とか宥める。

いや、実際。寺坂君の言ってることの方が人が思うことだと思うよ。こんなぶりっ子といたくないのは分かるしね。

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