任務先でぶりっ子始めました

８話 理事長さんとの会話 ページ11

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人気の無い場所へと移動し、互いに向き合う。


「すみませんね、急に」

『構いませんよ。ところで、何か御用ですか？』


わざわざ呼び止めたのだ。用がないわけじゃないだろう。

案の定、理事長さんは「察しがいいですね」と言った。


「E組のことなのですが。貴方も察しているように、E組は差別されています」

『でしょうね』


そこから理事長さんは、E組制度のことをツラツラと述べ始めた。E組制度によることで得られるメリット等々、それはもううんざりするくらいに。


「── と言うことです」

『なるほど、確かに合理的ですね』

「流石、物分かりがいい──『ですが』？」

『それは道徳的ではない』


理事長さんの言葉を遮り、私は自分の意見をぶちまけた。


『それは全国民が持っている基本的人権に背いている。日本国民は皆、人権も持っており、それは他人がどうこうしていいことではない。それぞれが、自分に合った方法で生きている。確かに貴方のやり方は合理的。だが世の中、全てが全てそのやり方で通用するわけではない』


その後も言葉を続ける私。

理事長さんはそれを無表情で聞いている。

私が全てを言い終えた時、理事長さんはふっ、と息を溢した。


「貴方も彼らと同じ意見ですか」

『彼ら？』


何を言い出すんだこの人は。彼らって誰だよ、彼らって。

その時、私の背後から聞き慣れた、聞き慣れ過ぎた声が聞こえた。


「そう言うと思ってたぜェ、A」

「お前は昔からそんな奴だったな」


くるっ、と振り向けばそこにいたのは。

同じ鬼殺隊であり同じ柱の、


『実弥さん！？伊黒さん！？』


風柱と蛇柱だった。

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